廃村となっていく村ー中能登町

このことについて『蓮如真宗行事ー能登の宗教民俗』1998年(平成10)木耳社刊に
次のように書いた。

山あいのムラで廃村が決定し、町域に移り住んだ人が話してくれたことを思い出す。
ムラじまいの日、マスコミ関係者が取材にきていうには、
「どうしてこんないい村を捨てるのですか。空気もきれいだし、
なんとか農林業で生きて行けそうだし、なによりも自然が素晴らしい」と。
「わたしはこう答えたのですよ。
お見受けするとあなたも年頃の娘さんがおありのようですが、
美しい自然のこのムラにお嫁さんによこしますか」と”p4

そのあと、いろいろ感想を述べたが、
この言葉で充分語り尽くしている。
これは、鹿島町史の調査のおりに、聞いた言葉だった。
○○原山と呼ばれていた地区に住む人がいなくなっていたのである。
この本では、昭和57年頃に訪ねた神明原<しめばら>2軒の集落についても触れた。

そして、昨年まで数年調査した門前町の小集落、あるいは既に人の住んでいない地を、13日の月曜には、特に用事もなさそうだったので、ブラリと訪ねてみようかと思っていた。

ところが、花粉症に雪で、しばし、延ばさざるを得まいとあいなった。
風原おばあちゃんには早く会いたいのだが…。