神馬草から義馬草

12月21日、
揚浜塩田を守ってこられた角花豊さんの奥さんは
海苔取りに出かけておいでるとのことだった。


海苔、と聞いて
フッーとギバサについてはっきりしないことがあることを思いだした。
磯の香りの中で生きてこられた豊さんならご存じだろうと、
聞いてみた。


義馬草(ギバサ)は、今年の義経ブームでよく話題になった。
伝説では、
義経一行が珠洲市馬緤にやってきたとき、義経の馬にホンダワラの一種を食べさせた。
それがギバサなのだが、それまでは神馬草という字を充てていたのが、
それ以来、義馬草と書くようになった、というのである。


ギバサは、
今でも各地の神事に重要な神饌として用いられているし、
ホンダワラがギバサなのだ、
という説もある。


豊さんの答えはこうだった。
ギバサはホンダワラの一種だけれど、
この季節まで寄りつくのがホンダワラで、
これから採れるのがギバサだという。


なるほど、ホンダワラを小振りにしてシャープにしたような海草ー
そうか、あれがギバサなのか…。


そこに住む人ではないと、
わからない教えを頂いた。