東洋大学ー研修、井上円了氏。道上正司氏。

5日(火)11時から、奥能登塾で知り合った、髙橋一男(東洋大学副学長・国際教育センター長・国際学部教授)さんと、ゼミ学生4人に能登のことをお話しした。
会場は当寺本堂。

記念に高級ボールペンをいただいた。
f:id:umiyamabusi:20170906081733j:image
f:id:umiyamabusi:20170906081857j:image
国際関係だけあって、輪島塗製品。図柄は「花菱」。
説明は、URUSHI:漆(LACQUERWARE:漆器)。2つのjapanが記されている(ようだ)。

高橋氏は、9月26日(火)の石動山散策には参加出来ないと残念がっておられたので、時々散策するのでその時は一緒に歩きましょうと、軽めの約束をして、別れる。

井上円了

東洋大といえば創立者井上円了(1858~1919、新潟県越路町真宗大谷派慈光寺生)氏。
妖怪学で名高いが、真宗物忌み(「もの知らず」ではない)知らずの
物忌みにあたる実社系天神地祇が長い年月の間に定着させていたおどろおどろしたもの、すなわち妖怪とは何かを見極めない限り、近代仏教に脱皮できないと考え、神仏判然から廃仏毀釈の流れに闘いを挑んだ研究が「、妖怪学」だったはずである。
ところが水木しげる、パワースポット、陰陽道ブームで、井上妖怪学もちょっとしたブームの感があるが、読めば「物忌み知らず」からの問いであることに気づくはずである(読んでいないので、「はず」が続く)。

その上で、真宗資料集の粋である「真宗資料集成」第13巻『真宗思想の近代化』(編者:森竜吉氏)「一、仏教近代化論の序幕」の巻頭を飾る二つの論文が、井上円了氏の「真理金針」「仏教活論序論」で、近代仏教学の礎を築いた人の伝統をひく大学で(関心ありますよ)である、と最初に話したのだから、学部3回生は面食らったに違いない。
1人は中国からの留学生だった。

いつも思うのだが、何種類も読めそうな語には振り仮名が欲しい。
「金針」を何と読んでいいのか分からない。カナハリ、カナバリ、カネノハリ、キンバリ、キンノハリ?

道上正司さん

ペンの蒔絵を見た瞬間、道上さんを思い出した。というのは、
私が飯田高校に勤めていた一時期、新しく入ってこられた先生方にカリキュラムなどを伝える仕事をしていた。
特に美術は講師に来ていただいており、その都度、生徒の特色などを話させていただいた。
輪島漆芸の方が講師に来られたことがあり、その方が道上正司(みちがみ・しょうじ)さんで、昭和62年4月から1ヶ年飯田に通っていただいたのだった。
若くして賞をもらわれたのを新聞記事で知り、お祝いの電話を差し上げたこともある。
ところが、かつてどうしておいでるかを関係者に聞いたとき、若くして先立たれたとのことだった。
道上さんは、沈金盤・雄飛(第16回)、沈金漆箱・波の花(第16回)、第19回・映など、19回は平成14年。他に2006年、パイロット社からNAMIKIブランドとして限定販売された万年筆「Pheasant & SAKURA (雉と桜)」。
世界で99本、日本国内では31本の限定として販売された製作者が道上さんで、漆芸作家グループである「国光会」会員の沈金作家として活躍しておいでた。