マリアナ海溝10930㍍から届いた調査容器、講義ー高爪山で詠まれた歌

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海溝調査で用いられた容器。
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「富来の伝説とその広がり」

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今日、富来町郷土史研究会(私を含めて20名参加)でお話しした。
タイトル「富来の伝説とその広がり」。
実際は、高爪で詠まれた歌を分析した。資料6枚

マリアナ海溝10930㍍調査容器

その折に、石田さんから1999年7月深海調査研究船「かいれい」(4628㌧)と無人探査機「かいこう」の組み合わせで、世界最深海溝マリアナ海溝10930㍍で用いられた容器をいただいた。
元はカップヌードルくらいの大きさだったそうだが、圧力で水が抜けて凝縮され、小さなコップのようになっているのだと教えて頂いた。
しかも、「かいこう」は翌年だったか引退し、
使用容器も水圧の影響を受けにくいものに変わったそうだ。


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調査船「かいれい」


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この本「愛する海」(石田貞夫氏著、岩波書店、2010年8月刊)の序文に


「2010年6月14日の朝、テレビや新聞各紙は、前夜、約60億キロメートル、7年間の宇宙の旅をして無事地球帰還を果たした小惑星探査機は「はやぶさ」を報じていた。
こうした華々しい宇宙開発の陰に、海洋研究開発を支援している技術集団の功績が存在する。
1999年11月に打ち上げに失敗したH2ロケット8号機の残骸を小笠原沖の3000メートルの海底で、(独)海洋研究開発機構所属の深海調査研究船「かいれい」が発見した。
これは、奇跡の発見として賞賛され、H2ロケット事故の原因究明に大いに貢献した。
この「かいれい」の船長として神業的な操船の指揮を執られたのが、著者のキャプテン石田である。」
と書かれている方が、石田さんで、マリアナ海溝容器の日付7月9日のほぼ4ヶ月後、11月15日、H2ロケットは打ち上げに失敗する。そして11月末、石田チームは小笠原沖3000㍍海底からロケットの残骸を見つけるのである。
その前、同年の8月25日には、インド洋ロドリゲス三重合点海域熱水噴出孔発見の偉業も成し遂げられている。
その流れの中の、世界最深地で用いられた容器が、私のところにある。
どう考えればいいのか分からないのだが、
ともあれある。

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この写真の前年に11回目のマリアナ海溝調査が行われた。




深海調査に用いられた容器に次のように書いてある。
「♯118DIVE
かいこう
マリアナ11回目
マリアナ海溝
11°22.225N
142-35.625E
世界一一〇九三四m
平成十一年七月九日」

底面
「8×5×8.5」


現在の大きさ
高さ4.2㌢
上部径3.9㌢
下部径3.1㌢。



海が好きで、
正信偈」に出てくる5個所の海の例え…
三好達治「郷愁」
郷土史研究会でも、海の修験道などを語ったり、
今日のような、雪に変わる道にもめげずにお話しに行ったりするので
くださったのだろうか、
人命救助もしたし、
いろいろの海があるが、
この海からの贈り物は想像を越えている。


なにごとも、記録しておくこと。