小沢昭一、『【大系】日本歴史と芸能』第5巻・踊る人々ー民衆宗教の展開ー、小沢昭一的こころ

12月10日(月)、小沢昭一氏逝去。
もちろん、直接存じ上げる方ではなかったが、
一度、門前満覚寺説教大会の折、
間近でご尊顔を拝したことがある。
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『【大系】日本歴史と芸能』第五巻踊る人々・目次(PDF)平凡社刊)
このシリーズの編集委員網野善彦、大隈和雄、小沢昭一服部幸雄宮田登山路興造氏たちで、全14巻が1990年頃に刊行された。
映像はVHSで日本ビクターが制作した。
節談説教と小沢氏の関係は深く、『また又「日本の放浪芸」』で、川岸不退氏などの説教を紹介され、自らも「説教板敷山」を演じておられる。


私が、第5巻で「節談説教の風土」を書いたのだから、
内容の一部(PDF)
伊東乾氏が『笑う親鸞』部分、河出書房新社(PDF)

西山先生は、真宗大谷派の僧であると同時に、小沢昭一網野善彦といった人々の協力者として長く仏教民俗史家の活動もしてこられた。

と書いておられるのも不思議ではない。
ところが、先に書いたように、間近でご尊顔を拝した、一度の一方的な出会いがあっただけである。
となると、どうして私が、「踊る人々」に節談説教について書くことになったのか…?
この本には、ある思い出がある。
編集者の内山直三さん、網野先生もすでになくなり、節談と深く関わってこられた小沢氏もこの世を去った。
記憶違いもあると思うが、
このシリーズに節談説教が入ったいきさつについて、記しておきたい。


時国家文書との関わりで、能登にズーと来ておいでた網野先生が、

どうしてもこの企画に節談説教を取り上げたいと望まれ、
原稿はS氏(記憶違いだとなんなんで、イニシアルにした)に頼むように言われたが、
S氏が、西山の方が(能登にいることもあり)ふさわしいと推薦し、
私が書くことになった、のである。


ということで、門前で小沢氏と同室になりながら、平凡社の本を思い浮かべることはなく、遠くのスターが近くにおいでる、ぐらいにしか思っていなかった。


小沢昭一氏にとっての門前町は、
『泣いてくれるなほろほろ鳥よ』に載っている。
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門前へ(PDF)


『【大系】日本歴史と芸能』
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このシリーズで、いかにも小沢氏が関わっていそうな巻は、
「第13巻 大道芸と見世物」だろう。
実際、巻頭で網野善彦氏と「大道芸と見世物」と題する対談を行っておいでる。


現在もおいでる説教の大家は、若い頃、1年の360日を各地を説教しながら回ったとおっしゃっていた。
旅をする布教使ととらえるなら、放浪芸に含めることが出来ても
大道芸、見世物の範疇にはいれにくい。
そこで、第5巻の「踊る人々」に節談が入ったのだろう。
副題にー民衆宗教の展開ーとあるが、
急遽、入れることになったと聞いたのは、タイトルからも、そうだったのだろう。



小沢氏と言えば、

小沢昭一的こころ

宇出津高校へ車で通っていた頃、
車の中で、よくその番組を聴き、本も買って読んだ。
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『日本の放浪芸』 『再び…小沢昭一的こころ』 『ラジオのこころ』
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『しみじみ・くすくす…』 『ノーテンキ派…』 『泣け!お父さん!…』 『滋養豊富・元気の素…』 『わた史発掘』
『背中まるめて』 『旅は青空…』 『旅まくら…』 『旅ゆけば…』
本箱にこれだけあった。