『三陸紀行』【知人】、宮本常一
『写真集 三陸紀行ー未來に伝える東日本大震災の記録ー』本谷文雄(もとやふみお)
平成23年12月22日発行
[カバー表紙]
「宮城県南三陸町歌津
津波で流された橋脚を月がそっと照らす。
旧歌津町の中心部も津波でほぼ壊滅的な状況だった。
海岸に設置された堤防は倒され、気仙沼線の線路も土台ごと流された。
9月7日撮影」
[カバー裏表紙]
宮城県気仙沼市唐桑町
「「がんばろう日本」の旗がなびく。
9月9日撮影」
ほかに[カバー背表紙]
「左腰から下がない自由の女神。
11月2日撮影」
[表紙]
「岩手県陸前高田市 高田松原 希望の松
4月4日撮影」
[裏表紙]
「岩手県大船渡市 門之浜湾
2004年8月27日撮影」
ほかに[背表紙]
「宮城県石巻市 鮎川港にて巨大船
11月2日撮影」
本文1ページ目の写真
宮城県石巻市 尾勝小学校の黒板。
「三月十一日(金) 日直 陸くん
卒業まであと5日
◎先生方に注意を受け
ない行動をする。一人一人
が自覚を持つ。
自分で考えて行動する。」
おそらく陸君が書いたのであろう、黒板字の写真。
その下には3階まで浸水した気仙中学校の
午後2時46分で止まったままの時計の写真。
そして、本文最後のページには、
宮城県東松島市宮古月浜の仮設住宅。
「がんばろう東北」の文字をプリントしたTシャツを売っている
松島海岸の売店の写真。
311枚の写真を選んだのだそうだ。
この辺りのこだわりは、
親鸞聖人ご生誕年を車NOにしている私としては、すごく納得。
発行にあたってに
「東日本大震災は”記録”にも”記憶”にも残る大きな出来事だが、
記憶は時間の経過と共に薄れていく。
この写真集は被災地の方には、津波の怖さを未來に伝える教訓として、
被災地以外の方には、被災地を訪ねるきっかけとなれば…」と書いてあるように、
復興に向けての願いが、
選び抜かれた写真からヒシヒシと伝わってくる一冊である。
撮影・編集・装丁の本谷文雄氏は東北大学文学部を出られ、奥さんの実家は宮城県。
お世話になった東北の方々に、4月2日から9日にかけて救援物資を届けたりする中で、
この本の構想が芽生えたらしい。
限られたところでしか市販されていない、さまざまな思いの籠もったこの本を
出来るだけ多くの人々の手元に…だ。
一冊1000円。
〒924-0819白山市青葉台2-159 本谷文雄
メールアドレス cv9f-mty@asahi-net.or.jp
本谷氏は、この『三陸紀行』を携えて、東北に行って下さいと訴えておいでる。
『宮本常一とあるいた昭和の日本9東海・北陸①』農文協刊
9地区の中に「奥能登の村ー火宮の記録ー」がある。
火宮は「あえのこと」をもっとも忠実に伝えている「田中家」がある集落。
2011年7月30日刊 2800円