『愛する海』(岩波書店)石田貞夫氏著~「はやぶさ」へ【志賀町】

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表紙裏のキャプション
「 なぜ海に魅かれるのか
 船長の仕事はどのようなものなのか
   海の厳しさと不思議
   そして海の男の友情
  50年もの年月を「海一筋」で生きてきた
 日本一の海の男・キャプテン石田が綴る航海記。
  海には、たくさんの夢があるー」


2つの序抜粋
「2010年6月14日の朝、テレビや新聞各紙は、前夜、約60億キロメートル、7年間の宇宙の旅をして無事地球帰還を果たした小惑星探査機は「はやぶさ」を報じていた。
こうした華々しい宇宙開発の陰に、海洋研究開発を支援している技術集団の功績が存在する。
1999年11月に打ち上げに失敗したH2ロケット8号機の残骸を小笠原沖の3000メートルの海底で、(独)海洋研究開発機構所属の深海調査研究船「かいれい」が発見した。
これは、奇跡の発見として賞賛され、H2ロケット事故の原因究明に大いに貢献した。
この「かいれい」の船長として神業的な操船の指揮を執られたのが、著者のキャプテン石田である。
(略)
北海道南西沖地震調査、海難救助、そして、阪神・淡路大震災の遭遇に身を挺して尽瘁する船長の語りは、後生に残すべき貴重な生の記録である。(略)」海洋地球研究船「みらい」元船長・日本郵船歴史博物館館長代理赤嶺正治
「国際的にも名高い調査船の船長として、キャプテン石田に並ぶ者はいないでしょう。」アプラハーバー・グアム、ハーバーパイロット、キャプテンジェームス・スティス
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能登に関わる方で、岩波から海の本をお出しになったことを新聞紙上で知ってはいた。
面白そうだ…。
でも、興味惹かれるからといって次々のめり込むわけにはいかない
そのうち、本屋さんを覗くことがあったら買おう…か
ぐらいに考えていた。
本のタイトルも著者名も知らないでいた。


その本を、なんと、ご本人からいただいた!
そのいきさつ…


16日(水)

富来郷土史研究会

で「月と能登」の題でお話しした。
荒木の山に登り増穂浦・高爪山を遠望し、芭蕉の月の句が富来八幡神社にあるというので確かめて写真に撮り、会場の富来活性化センターに行った。
3枚セット資料を20部用意していったのだが足りず、追加コピーをしてもらったので24・5名の参加だったようだ。
狭い部屋しか用意できなかったとのことで、机があたらず椅子だけの人も数名おいでた。
能登の一地域の郷土史研究会としては、驚くべき充実した会である。
平成14年からほぼ毎年話させていただいており、今回が8回目。
新しいメンバーも増えているようで谷内尾石川考古学研究会会長のお姿もある。


向田郷土史研究会会長挨拶で、「月と能登」というロマンチックな題でどんな話をしていただけるのか楽しみです。
とおっしゃる。
月兎(天寿国繍帳 玉虫厨子 今昔物語集
能登の月(万葉・三十三觀音御詠歌・芭蕉句碑)
府中における『松下集』(招月庵正広)の月と歌
の流れでお話ししたのだが、レジメを作っている間、ロマンチックなテーマーとは思わなかった。
月とロマンだったら
ギターで途中までしか弾けなかった「月光」
守屋浩の「月のエレジー
レコードを買った「月光のノクターン
宇出津高校3年生を送る会で教職員で歌った四季の歌の中の「花かげ」
親父が好きだった「月がとっても青いから」(菅原都ゝ子)
それに何と言っても「北上夜曲」…
閑話休題(さて)


講義を終え、本多先生に「八つ釜」というところにある芭蕉句碑を案内してもらうために玄関付近に行ったところで、郷土史研究会の会員の方がカバー(八重洲ブックセンター)付きの本を一冊取り出されて、「私が書いたもので、お読みください」とおっしゃる。
さわやかな印象の方で、八重洲ブックセンターでこの前買ってきた、岩波云々…と続けられ
ひょとしたらあの新聞に載った…方…?
違いない、その方ー石田さんだったのだ。
勝手に遠いところの人だと思っていたのだが、富来の方で…しかも今日来ておいでるとは…。


「どうも」といただいてからしばらくしてなにかお返しを…と
カバンに季刊「能登」を入れていたのを思いだし一冊お渡しした。


ロマンと科学の間の月の話をしていたときに、
科学の最先端で宇宙と関わった方が同じ場においでたのだ。


夜、渋谷利雄さんがおいでて9時過ぎに見送った時、14日の月の兎を見た。
そして、その後、『愛する海』をお持ちになっている石田さんの写真を撮ればよかったなぁ、とか
後書きを見ると出版には本多先生も関わっておられたようで、お二人と御本もいいなぁ
などと、講義の反省も含めて、思いにふけった。

『長浜八景と周辺の伝説故地』西仙関氏著

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『能登の家持歌碑巡り』に続いて。