唯観の里の「木仏尊形」ー珠洲市

門徒さんにあたる人が、古い書き物があるけど何だろう?
とおっしゃっていたので、見せていただいた。
天保3年(1832)、加州住大仏師 松井清寛」のご本尊に関する「極」書きだった。


文書は持ってこられたのを見せていただいたのだが、木仏ご本尊の後ろに一幅の軸が掛かっているという。
いわゆる木仏安置許可・「木仏御免」なのだろう、藩政期後期の許可は旧家で時折見かける。


見せていただいた。
一行目にご門主名・花押(薄く、剥落部あり)、
中央に「木佛尊形」
下部に年号
そして、願主名が記されている。


今まで出会った木佛御免状は、文化文政、天保、文治あたりの藩政期後・末期のものだったが、
天保三年に「極」ているように、
なんと宣如上人(本願寺13世、東西分派後第二世)代、
元和二年(1616)とあるものだった。
願主は当家と親戚筋の、家名から、中世町野庄の名主に連なると考えられる家の人である。
お仏壇も一列型の古いもので、
このような木佛が、静かに守られているとは…
歴史の重さに、呆然。


が、景観写真はしっかり撮ってきた。
「唯観・唯心の里」
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この家は、小字河原水(あわらず)というところにあり、集落の一水源を押さえろような地に建つ。


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隣の集落にも、古体をとどめる茅葺きの家があり、
ついでに回ってきた。