大雪-雪の歌ー三好達治、金子みすゞ、仲宗根美樹

昨日ー4日ーからボコボコ雪が降る。何度も雪すかしに出た。
これはやり出すと汗が落ちるくらいになるまでやめられなくなる。
夜、「能登のくに」を折ったり封筒詰めをしていたら、首が回らなくなった。
それでも、雪と関わり、どこかウキウキした気分になっている。


夜、シンシン(周りの音を吸い込み、音が縮小しているような感じ)と雪が降っている。


ふと

太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。

(「雪」三好達治
が浮かんだ。


近年は、金子みすゞさんの

上の雪
さむかろうな。
つめたい月がさしていて。

下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。

中の雪
さみしかろな。
空も地面(じべた)もみえないで。

(「積もった雪」) 
さえ思い出さないくらい、雪の少ない年もあるのに、
今年はずーと忘れていた三好達治の詩を思い出すほどの、
雪の夜がやってきた。


ここからは勝手なイメージなのだが、「ユキコの灯」という仲宗根美樹さんが歌っていた、やさしい歌がある。



歌詞から、対岸の立山連峰の向こう…
行ったことのない信州の山ふところを想像していた。
その頃かその後に達治の「雪」を知ったため、私にとっての太郎、次郎の雪は信州なのだ。


信州にシンシンと雪が降り、飯田にもシンシンと雪が降る。
と、
のんびりしたことを思いながら寝につき、目覚めたら…
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どか雪。
もっこり盛りあがっているのはコンポスト。木は梅。向こうは塀。
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2008年11月13日にこの写真を載せたコンポスト(左側)である。
一句

コンポスト、雪も積もれば、猫も乗る


【9日追加】「ユキコの灯」のソノシートがあったはずだ。雪を踏み固めながらしまい込んだ建物に探しに行った(鈴木大拙の『日本的霊性』があるのだったかどうかも確かめたくて…)。
講談社フォノシート「仲宗根美樹」は見つかったが、4枚のフォノシート中、1枚だけ行方不明。それが「ユキコの灯」と「あざみの歌」が一緒になっているものだった。そうだったなぁ…と思う一方で、収穫もあった。
雪子だと思い込んでいたけれどユキコだったこと。
仲宗根さんの歌はいうまでもないが、この曲は、バックコーラスのハモり具合が抜群だった。そのバックがポニージャックスだったことが分かった。
こころに沁みたはずだ。
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雪がドンと積もると…
まずやることは、塀際にある防火用水の入り口を見えるようにすることーこれは連れ合いが朝早くからやっていた。
次いで境内の入り口部に車がすれ違える程度の場所を確保すること。前の道は、当寺前まで対面通行が出来るのだが、道の途中・隣から一方通行になっている。5時頃にブルが通りをあけていったのだが、これだけの雪だと車1台が通るのがやっと…。
3方向からの車の流れがあるので、どうしても境内に1台分の待機場所が必要なのだ。誰がやるかと言うと、そのことに気づいている我々。
そして、ようやく車庫からの道をつけることになる。
ということで、車の待機場所を作ったところで疲れ切り、
能登のくに」を出しに郵便局へ行くことにした。
大きな鞄に、どっさり郵便を入れて…、テクテク歩いていった。
帰りは、鞄も軽く、つい雪を丸めて、木の上に積もっている雪めがけて投げた。雪が落ちるまで投げ続けたかったのだが、年齢的におかしいかな…と思ったのと、雪つぶてが描く孤のイメージが随分違うので、2度ばかり投げてやめた。
夜、続きを投函しに行った時は、星がきらめき、下はバシバシだった。