大年から元旦へー初鐘撞き(除夜の鐘)ー

31日の流れ、元旦の準備。
①30日に搗いた餅ー今は餅つき器でつくるーの「かき餅」分、雑煮分を切る。
これは午前中の作業。


②ほんの少しの雪でも、本堂屋根から落ちるとちょっとした雪の山になる。
西勝寺は町域にあるお寺なので、0時を知らせると同時に、
門信徒さんたちは、参詣、年賀、お礼をとげにおいでになり、毎年、3時あるいは4時と決めて回られる方もおいでになったりで、まず道の確保をしておかねばならない。
雪すかしだ。
去年の大年は3度雪すかしをしているが、今年は1度で済んだ。
多い年には、ブルが入って本堂前、鐘撞き堂までの雪を除ける。


真宗では「初鐘」というべきなのだが、いわゆる除夜の鐘を撞く。
当寺では、午後11時45分から撞き出すことにしている。
子どもを中心に家族連れや若者が、年に1度の鐘撞きを楽しみにしておいでる。
しかし、その時間帯には吹雪が吹いていたり、月が照らしていても、普段、鐘楼堂の4段の石段を踏んだことがない人ばかりである。
危なくないように足元とやや遠方を照らす灯りを用意しておかねばならない。
そのコードを本堂からひっぱる作業がある。
これは、31日の午後に行う。
この時、塀に沿ってコードを継いでいくのだが、毎年雪のしずくが襟元から胸に入る。
ちゃんとした格好をして作業すればそういうことはないのに、普段着のままでやって、ア!ツベテェ…、今年もやってしまった、と思うのも年中行事化してしまっている。
ついでに本堂・庫裏の間にある「春日燈籠」にも灯りがともるように、コードをひく。
一晩の大庭の風情…作りだ。

④伝道黒板に「頌春」と、
今年は賀状と呼応する「蓮如上人御一代記聞書293」の文
ー信を得たらば、荒く物も申すまじきなり。
 心、和らぐべきなり。ー
を書いて掲示


⑤焼香用の灰を漉(こ)し、
 風呂に入り、
 年越し蕎麦をいただき…

⑥11時半、本堂総灯。
焼香台に火種をつけ、香を焚き、

焼香台の側にはお土産用の「同朋新聞1月号」なども用意する。
いくつかのストーブに点火し、
外のトイレの灯り、鐘樓堂の足元、遠めを照らす灯り、春日燈籠などにも灯りをともす。


今年は、45分までに何人かの若者が外で待機していた。
45分から…撞くぞ…、といいながら、撞き初め、
5つぐらい撞いてから、若者たちの登場…。
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だいたい30回ぐらい搗いたところで、副住職たちと交替し、
年頭挨拶を受けるために庫裏に移る。


④鐘の音を聞きながら、庫裏・広間で年頭の挨拶を受ける。
一晩中を母、坊守と手分けして挨拶をお受けするのだが、
私の持ち分は
除夜の鐘との続きになり、だいたい3時過ぎまで、
その後は坊守と交替。


とはいえ、ほとんどの方が本堂で手を合わせ次へ向かわれるので、
庫裏まで顔を出される方はそうおいでにならない。
合間には、
2008年ノートから2009年ノートへの引き継ぎをしたり、
時折、
火種を継ぎ足しに本堂に行ったりして過ごす。
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挨拶を交わす場に用意してある飾り。
正月飾りー蓬莱の元、食い積みー


修正会は朝7時。
4時頃から6時過ぎまで休み(眠り)、
お朝事(修正会)は
阿弥陀経正信偈六首引きでのお勤めをする。
かつては登高座を行っていたのだが、近年はこのスタイル。
引き続きお内仏さまで、正信偈同朋奉讚を唱和。


大年から元旦朝に掛け、
例年、寝たのか寝ていないのか分からないような時を過ごす。
苦労とは思わないが、
生活のリズムを戻すのにしばらくかかる


昨日の今頃は、ワーワー言っていた…
今、窓の外は雪なのか…
シンとして物音一つしない。