御伝鈔(親鸞聖人伝絵)

報恩講の季節だから、
この時期の真宗関係の講話には
何度か「御絵伝」を扱った。


普段の本堂は
余間(よま)の御代前(ごたいぜん)側には
聖徳太子七高僧画像を安置しているが、
報恩講の時は2幅をお下げして、御絵伝(親鸞聖人御絵伝・4幅)をお掛けする。
一方で、詞書の方を「御伝鈔」と呼び、お初夜の時に最も格式の高い拝読方法で読んでいく。


ということは、
「御伝鈔」には親しむことがあっても、
遠くに掛けられている「御絵伝」の各場面を実際に知っている人は、ほとんどおいでないということになるのではないか…


そういう思いがあって、報恩講・御伝鈔拝読の晩には、
スライドを使って絵伝を映したり
カラープリントを配ったりもした。


坊守会その他でも、お互いに知らないはずの絵伝を中心に学べばいい
と…そう考えていたのだ。


ところが…
聞き慣れているはずの「御伝鈔」の意味がわかっていなかったら…
と、ふと思った。
それで、昨日の8組坊守会では「御伝鈔」(1~3段まで)をじっくり味わってみた。
参考にした文献は、以下の2冊。
特に『御伝鈔講讃』(鎌田宗雲著、永田文昌堂刊)は、豊富な文献紹介もあって、わかりやすい。
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坊守さんのお一人からは、
「御伝鈔(拝読)」になるといつも長いなぁとしか思わなかったが
内容が少しわかってくるとすごく興味深い…。
来年はもっと早くからやって欲しい、
といわれた。


4段以降も読み進めねば…と思っていた矢先の今日、
『大系真宗史料』が届いた。
なんと「御伝鈔註釈」(編集・解説、塩谷菊美氏)。


すごいタイミングだ。
やることがいっぱい出来た(こりゃ楽しみだ)…の気分。
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