筆を入れたがる編集者

写真のコメントが中心である本の初稿に直しを入れ1月26日に出した。
随分間があるような気がしていたが2月8日に再稿が届いた。
校正すべき元原稿が入っていない。


校正原稿が必要ではないくらい、ちゃんと直しましたの意思表示かなと思いながら最初のページを見ると、
「カメラ位置の右手に」といれておいたはずの文が「写真の運動場の右方に」となっている。
おいおい、運動場の右方は街中だぞ、地元の人間が写真をみればすぐに分かる。
そんなところに学校を建てるわけがないじゃないか…、
と先へ進めると、 

「生徒は~移転」が「生徒が~移ってきた」。→グラウンドへ移ってきてどうする?
「運動会。」→「運動会のひとコマ」。次のダンス名に繋ぐのに、ひとコマはくどい。
「運動会の頃はハザが建ち並ぶ」と田の中にグランドがあることを強調したつもりなのに、
「運動場の向こう側にはハザが見え」…ハザが見え、田が見え、倉庫が見えと、あたりまえのことを文にするつもり?  
「その奥に見える建物は○○村(当時)」→(当時)が消されている。
わずか170字にこれだけ書き換えがなされていた。


読み進めると、至るところでこのような「改ざん」が行われている。
「都会と直結する能登を意識させた。間もなくモダンなフルーツパーラ」が
「都会と直結するモダンな能登を意識させた。間もなくフルーツパーラー」にとなっている。
モダンな能登?そんな能登があるか!!。


こんなのが活字になってはたまらない。
編集者に言わなくては…と電話を入れるが、三連休中で通じない。
それで、一々、「街灯が照らしていく」を「街灯が見守っていく」に書き換えなければならなかった理由は何ですか…と書き込みを入れていった。それに2日費やした。


何度も見直したはずなのに、本になってしまってから間違いに気づくことがよくある。
ひどい間違いをおかした本には、本屋さんでその本に出会うと、小声でゴメンナサイといって頭を下げて通り過ぎている。


それなのに、現地を知らない編集者が筆を入れ、わざわざ間違い箇所をあちこちに作ってもらっちゃ困る。


出版社とようやく連絡が取れ、対応し終えたのが昨日。無意味な疲れ…。