願わくは花の下(した)にて…西行、涅槃

今日は御涅槃だ。
西行法師が「願わくは花の下(した、一書はもと)にて春死なむ、その如月の望月のころ」と詠み、ほぼその通りに示寂なさった日(実際は2月16日)でもある。
TVの一社ぐらいは、明日は「その望月の如月のころ、です。」と流してもいいと思うのだが、チョコレートばっかり。


この歌は、すごい歌だと思う。西行法師が生きた像法期においては、望月が阿弥陀如来の縁日で、西方へ行く名を法名とする人が、「花のした」、すなわち法の花降るしたー具体的には桜の花の下で、釋尊入滅の日に息を引き取りたい、と願っている。
桜が実は法の花なのだと気づくことがお手柄の釈教歌なのだが、例年なら雪景色でピンと来ないはずのこの歌を思い出したのは、今年の暖かさによる。
もっとも、今日は旧暦の12月28日頃だそうで、桜にはまだまだなのだ…と思っていたら、今日は大荒れ。