加能民俗の会「旧白峰村桑島の出作り終末期」山口一男氏発表

この時期が、最も自由な時間が取れるので、
今年度最初の「加能民俗の会」に参加した。

山口一男さんが「旧白峰村桑島の出作り終末期」と題した研究発表をなさった。
山口さんは「白山ろく民俗資料館」の館長、
「白山セミナーハウス望岳苑」の支配人という2つの要職を兼ねられている方で、
見事な発表(講義)だった。


焼き畑、出作りといった世界が全く分からない私のようなものにも、
何となくそういう世界が伝わってきたし、
何人かの質問者に対して、決して苛つくことなく( もし私が発表者だったら、つい、どこでそんな話を聞いてきたのですか、とか、何にそんなことがかいてあるのですか、と、つっかかってしまうのだなァ )、
静かに深く話されていくのを聞いていると、すごく納得させられたし、
その分野に関する一つの辞典が出来上がっていくような気がした。


この会議に参加するため、奥能登から日帰りも厳しく、前の日から泊まった。


帰り道に能登海浜道・西山インター手前で猛吹雪で前が見えなくなり、
ワイパーも凍って利かず、つながっている車がみんな引き込み線へよろよろと入っていってワイパーの氷を落とし( 能登空港付近でも氷を落とした )、
別所岳近くでは、2台の救急車やパトカーに出会い、
事故でつぶれた車を見て痛ましい気分のままに車を走らせざるを得なかった、
など、胸がつぶれるようなことにも出会ったのだが、
それらを越えて、山口さんの話は素晴らしかった。


加能民俗の会には、20代の終わりから顔を出したような記憶がある。
その頃、あるいは、その後関わってきた同世代の6人程のメンバーがいた。
後に誘われて6人で『都市の民俗・金沢』を出すことになるのだが、
その時の1人は民俗を専門にした仕事に現在もついており、
1人は亡くなり、後はブレーンになっている。

私以外は、皆金沢に住んでいるのに1人も顔を出していなかった。
いい話を、もったいない。


時が流れたのだ…。