ー輪島市ー「千年旅人」辻仁成

朝日新聞石川版に
4日から、「小説の街で、」という連載が始まっている。
12月中に3度ばかり電話取材があった。

能登と大陸の交流を聞かれ、最初は取材の意図が分からず、
どうお答えしていいのか分からないまま思いつき話をしゃべっていたのだが、
そのうち、門前、「千年旅人」(辻仁成)などのキーワードが見えてきたので、
アマメハギ(あまめはぎ)を中心に客人〈まれびと〉信仰などを語った。


早い時期の取材だったから、新年早々にお書きになるのかと思っっていたが三が日を過ぎても載らない。
4日に唯川恵氏の小説の舞台である金沢が載った。


かなりの紙面を使っているので、
週一、あるいは月一の記事かと思っていると、翌日「0の焦点」(松本清張)の富来、
そして、今日、続いて「千年旅人」の門前が載った。


私はこの小説について何も知らない。
取材があった後、インターネットで調べ、1999年ヴェネツィア国際映画祭・国際批評家招待作品の映画になった原作ということを知った程度である。


門前町史の調査で門前に随分出入りしたが、
「千年旅人」という小説があるという話さえ聞かなかったような気がする。


新聞を読むと琴ヶ浜が舞台となっている。
門前と大陸、から、古代、客人、あまめはぎの連想でお話ししたのだが、琴ヶ浜だと別な角度で、面白い展開になったのではと、
今になって思う。
新聞記事pdf

剱地八幡神社の神が寄り神。
お小夜・重蔵の悲恋物語と二人が祀られていく話。
神大王波平。海に向かって立つ板碑と石碑。
猿田彦の船石といわれる板碑。
黒髪神社。
お小夜が最初に祀られ舟を止めた八幡山…。


どんどん出てくる。


「『琴ヶ浜の水平線を見つめるだけで次々に物語が浮かんだ。(以下略)』と辻は振り返る。」と、記事にも記している。

f:id:umiyamabusi:20060107012200j:image
「千年旅人」の舞台となった、琴ヶ浜


私のコメントはわずかで、記事は、アマメハギの話へと展開していくのだが、
この六日年越しの行事日をにらんで今日の記事にしたのだろうと思った。
そうだとすると、実に深い配慮がなされていることになる。


おぬしやるな…、だ。