ー珠洲市ー正月飾りー蓬莱飾りの元、食い積みー
イロハニホヘ
『能登のくにー半島の風土と歴史ー』(中村裕:p36)に次の記載がある。
「面様の土産、正月様の土産を象徴するのが正月に飾る縁起物のホウライだろう。
珠洲市を中心とした寺院や旧家では、
正月、三方に米、干し柿、栗、昆布、豆などを幾何学模様に並べ、
松竹梅やユズリハを添えた縁起物を飾る。
これは一般家庭の神棚を飾る紙ホウライになったとの伝えがあり、…」
このように伝えているのは禅宗寺院で、
この飾り方を多く残している真宗寺院では、
特に何という物であるか伝えていない。
本来、元旦に年賀に訪れてきた人に、
肴として一つつまんでもらい
錫容器に入れたお酒を振る舞った
共同飲食ーその名残りの飾りのようだ。
藩政期には、武家や商家でもこの飾りがあり、
食い積み」といったという。
半島先端部にだけ残っている風習かと思っていたら、
中島町(七尾市)でも同様の飾りをするということを聞いたし、
金沢の天神信仰をお話ししたとき、
聞きに来られていたかたが
実家(能登町松波)で同様の物を飾るとおっしゃっていた。
「食い積み」を紹介している本
食い積み・蓬莱飾りについて触れているのは、
『能登のくに』以外では、
『石川歴史館』p290、
『図説中島町の歴史と文化』p108写真なし、
『蓮如と真宗行事ー能登の宗教民俗ー』p80~(いずれも西山執筆)で、
『蓮如と真宗行事』では白黒写真で6箇所を紹介した。
同書では、江戸期の農家の年中行事を記した記録「小林家年中行事」p259の中でもこのことについて触れている。
加賀藩士の例では、
「加賀藩士千秋家の年中行事」(亀田康範:「北陸史学」第31号・昭和57年)がある。※千秋(センシュウ)
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イ珠洲市曹洞宗寺院
ロハホ珠洲市真宗寺院
ニ能登町真宗寺院
へ珠洲市民家。
時国家にも同様の飾りがあると聞いている。
これは、我が家。
10年ほど前から飾りだした。