『妙好人 千代尼』

真宗大谷派宗務所発行の『真宗』2月号に紹介文が載った。

この雑誌は、大谷派全寺院に配布されている雑誌で、初めての全国的な宣伝になるのだろう。
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真宗』2月号表紙

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表紙見返し。

本の特色

今、新たなキャプションを考えている。
それは、タイトルだけでは何の本だろう?と思ったとのメールが届き、このブログを見ることで、
「本の内容も分かりました。
当時 千代女が どんな思想をもっており あのような俳句となったのかを解き明かされているようで 関心が持てました。
本の題名だけだった時は なにかなぁ…と思っていました。さっそく 買い求めてみます。」
と書いて来られた。
この方は真言宗の檀家の方で、「妙好人」の語とは縁無き方である。

考えているのは、真宗の説教本として
高学歴時代の、知的好奇心に対しては、厳密な時代考証、歴史民俗学方法を駆使した内容
―先輩社会科の教師が、人物には生・没年がすべて入っていると驚いておられたが、
○例えば「はじめに」の出だし部の千代尼(1703~75)、一茶(1763~1827)、新渡戸稲造(1763~1933)、フローレンツ(1865~1939)のように何時頃の人か、分かるようにした。
○本文中の句・75句が最後の千代尼句を味わう中で、どのページに引用しているか索引も兼ねて紹介している。
「蜘蛛の巣が広がるように小説家、俳人、哲学者、仏道に生きた人々が多方面に関連性を持たせ、知らなかった出来事が盛られた内容に感動して読みました(元高校国語教師)」と読後感をお寄せになった方がおいでるが、その多くの登場人物は、人物索引によって、どの場面でその人が登場するのかが分かるようにしてある。
○読み易くて一晩で読んだとのお便りが届いていることからもわかるように、まず振り仮名(特に固有名詞、仏教用語)、中学生あたりが難しいと感じそうな漢字には、すべて振り仮名を振ってあり、文章もいろんな人を思い浮かべながら、ひとり一人と対話しているようなつもりで書いたため、読み易い。
例えば「吉川五明」は上越の図書館に問い合わせて、振り仮名をつけた。
○疲れないように、折々に、こころに残りそうな、関連ある内容で、次の広がりにつながるようなやや展開した挿話を入れた。
○時代背景は、あまり知られていない、しかも重要な出来事をベース(真宗史・仏教史、一般も含めて)にした。
○すべて、やさしい話、あるがまま(自然)に含まれている話かどうかを考えながら―構成(しようと)した。

ということで、

これらが混じり合った、法話集とも言える本で、ここを足がかりにさらに、多くの思い出に出会い、旅立つため、時代が求めて続けていた「説教本」。
……ぐらいへ、さらに持って行けるかどうか、
しばし、反応を見つつ、どのように構成し、書いていったらいいかを検証し続けたい。
生活すべての基盤にある真宗―その入門書でもある。

先ほど、今年九十才になる親戚の方から
女学校友だち4人分(4冊)を買ってきました。
四季を通してこの本が最後のつながりの楽しみとなりましょう……居ながらにして……合掌させて戴きます。
と、あとがきの最後に書いた言葉を踏まえた便りをいただいた。
勿体ないことだ。

雪がとけたら、集まっておられる場に出向き、法座を持てたらと……と思う。

現実に帰らないといけない。