『妙好人 千代尼』

建物の傷んだところを直すと、次の傷みや汚れが目につき、直しに切りが無くなる。
それと同じように、振り仮名はどのレベルまでにしようか、難しいのは何度でもつけるようにしようとか、そうしなくてもいいか、など、細かい直しが次々見つかって、先ほどようやく校了

そもそも、この本は、引用を法藏館本と同じく二字下げにし、
句や和歌、今様は教科書体を用い、とかなり複雑な書き方をした。
仏教、俳句、和歌、時代史料など扱う内容が多岐に亘り、
それを中学生からでも読めるように、古文、古文直訳、意訳を適宜用い、
句の古文には振り仮名ならぬ漢字を( )であらわし意味が取れるようにする、等々
で、ずいぶん前田印刷さんに、手間をとらせてしまった。
そのうち、印刷記号の決まりを知らないために生じた直しなどを法藏館さんから指摘されることもあり、ようやく校了にこぎ着けたのである。

それで、人物や人名、書物などに間違いがないか、ずいぶん確かめたなぁと思いながら、検索で自分の名を見ると、
Rakuten市場に3ショップ

妙好人 千代尼
西山郷史 (本・コミック)
販売価格: 1,200円 (税込1,296円)
12 ポイント

など、
book FANには

出版社名
法藏館
発売予定日
2018年 01月 18日
内容紹介
石川県松任市が輩出した、江戸時代を代表する女流俳人・加賀の千代女。
熱心な真宗門徒であった千代の句の背後にひろがる信心の世界を、北越の風土とともに読み解く。

まで載っている。

真宗の生活は平生なので、言わばすべてが関わってくる。
「あるがまま」をキーワードにしたが、
発売元としては、もう少し絞り込まないとならないのだろう。
松任俳人・千代女を前面に出している。松任市はご愛敬だが……
「信心の世界」があるので、どこまでも広がっていく-だろう。

人総体、おおいなるいのちをバラバラにし、レッテル張りをしないと安心できない社会が、現代の持つ、闇だと思っているので、
「あるがまま」は闇を照らすロウソクの灯りとなる言葉であるはずだ。
-これは、カバー、帯を着けた表紙に表現されている-

さらに、
オムニ7-セブンネットショッピング-宗教・哲学・心理ランキングでは
予約9位になっている。

妙好人 千代尼
西山郷史
出版社名法藏館
ISBN 978-4-8318-8768-9
予約発売日 2018年01月18日
プレビュー
5つ星のうち 0.0
ランキング
本・コミック:-位 > 宗教・哲学・心理:78位 > 仏教:10位
価格
販売価格 : 1,200円 (税込:1,296円)
ポイント12ポイント

タイトルを決めるのに昨年6月にお会いした販売部長さんの顔が浮かんで来る。

奥付の校正も終わっているので、賀状には1月20日発売と書いたのだが、18日には販売体制に入れるのだろう。

内容

内容には、かなり自信がある、というか、今までの空白(時代、俳句解釈、民衆に仏教が広がる具体的様相)を取り上げており、
さらに千代尼伝説の生成まで扱っているので、民俗学としても、かなり重要な、視点を提起し、報告になっていると思っている。
真宗入門、法話テキストの参考にもなるはずである。

「あとがき」には次のように書いた。

妙好人・千代尼の紹介は「熱心な真宗信者でした」程度なのです。
それには、理由があり、千代尼を妙好人として見ていくには、
1、彼女の拠った俳諧
2、生きた時代の背景と風土
3、真宗の教えとの出会い
などの観点からとらえなければならず、それぞれが、かなり面倒なのです。

この3点を取り上げたのである。

一度使おうと思っていた柳田国男『生活の俳諧』に出ている

芭蕉の「風吹ぬ秋の日瓶に酒無き日」(『冬の日』)を
「私などは「風吹かぬ」と解し、先生(幸田露伴)は「風吹きぬ」だと見て居られた」

を面倒な例に挙げた。


法藏館さんが関わってくれたので、予約がもう話題になっているようなのだが
たとえ、広く発売されることがなくとも、関係団体、資料館、学会などには送るつもりで、手はずをととのえていた。

教務所・宗派など74箇所、
出版社など21箇所、学会・資料館24箇所、
お世話になった方々・本を送っていただいていた方々126名である。
例えば長浜別院だったらp135~から「本願寺別院大通寺(長浜別院)」で書いていますと、添え書きをつけ
125名には一人ひとりにできるだけコメントを書いて送るため、B6用紙を買いかなりコメントを書いているところである。

和泉式部話との関係で、書写山にも献呈する。
和泉式部はⅡ-四 求道(ぐどう)の歌-和泉式部-で取り上げている。

結局行けないところへ、本がご挨拶におじゃまするようなものだ。

朝の記事に載せた 朝顔と雪をイメージした表紙は、このブログだけに残っていく。