『日本庶民生活史料集成 第十七巻』1972年刊

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『日本庶民史料集成 第十七巻』(三一書房、1972年(昭和47年)11月20日発行)
9千円。
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十七巻は「民間藝能」で、編著者・五来重ゼミの院生が史料を読んで原稿に書き写すお手伝いをした。

私は、俗謡中の「はうた」を書き写した。
一年社会に出られてから、五来先生にもう少し学びたい、学究への思いを捨てがたく院に入られた、同級生だけど一年先輩にあたる、確か岡田さんとおっしゃる女性と組んでの作業だった(と記憶している)。
原本のコピーを預かり、三一書房の大きな原稿用紙に書き写した。

私は学部時代、「堤中納言」影印本の読みを授業で学んだ程度で、古文書そのものは、これから学ぶ機会があれば…という頃のことで、
読みの基礎をならいながら原稿に書き写し始めようとしていたころ、岡田さんは早く仕上げて、私の読みを手伝ってくれたか、読みを教えてくださった気がする。

その後、原稿料(?)として6千某をいただいたのである。
授業の演習ぐらいの気持ちでいたのに、封筒に入ったお金をいただいた時は、
驚きを通り越して申し訳なく、もらっていいのだろうかと先輩に相談したような気がする。

この作業については、飛び飛びの記憶しかないが、ともあれ、いわゆる原稿料をもらった最初の本である。
その後の人生で、本と関わることがあるかどうかも分からない。
それで、高価な本だったが、教員になって最初のボーナスあたりで購入したはずである。

執筆原稿一覧に載らない、思い出の書物である。