「彼岸の人」ー長田弘氏逝去

5月3日にお還りになっていた。
その旨を、新聞各紙で知る。


2008年4月14日のブログに長田弘氏について書いている。
そのまま引用。

「彼岸の人」長田弘

本山(東本願寺)から、「お彼岸・おひがん」という冊子がでている。
全部で16ページ。50円。

そこに、長田弘さんの「彼岸の人」という詩が載っている。
47行の詩だ。

見開きページの背景いっぱいの写真は
山岳と森に続く平原の一本道。
朝もやの棚田
森とみずうみ
の三枚で、
詩の深みを
さらに深めようとしているようだ。

なんとはなしに、
オサダヒロシか……

と、詩をながめていた。

記憶が沈んでいく
70年代にかかる頃…
オサダヒロシはいいぞ!
と言った友がいたはずだった。

誰だったろう?

友が言ったのではなく、
ユリイカ」の現代詩特集号でひきつけられた
自分の声だったのだったろうか…

あの詩は…
確か「クリストファー…」だった。

本箱を訪ねる。
あった。
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(1970年4月第三刷を購入している。320円。)

「クリストファー詩篇」だった。
「われら新鮮な旅人」のあちこちに線が引いてある。

ユリイカ」は、「われら…」の方だったろうか。
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(「われら新鮮な旅人」4部構成。1000行を超える長編詩。
写真は2部7作の中で「パッション」の部分)

「あなたのやさしさがこわかった」(「神田川」)
を初めて聞いた時、
この逆説と相乗しあっての、
衝撃だったような気がする。

この方が、今も活躍なさっている。
「彼岸の人」、
間違いなく
これらの詩の延長にあって
それは、「いとほしさ」の加わった感性…
その輝きではないかと思った。
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ヒ ガ ン ノ ヒ ト…

ここからは5月10日の追記

「彼岸の人」
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PDF
ユリイカ』総特集=戦後詩の全体像
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討論者四氏による戦後名詩選
「われら新鮮な旅人」は全員(吉本隆明清岡卓行大岡信鮎川信夫)が推薦。