報恩講

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4日目7日大逮夜。この日は、御初夜の時間帯に「御伝鈔」を拝読し、正信偈同朋奉讃、甘酒、お説教と続く。
全て終了したのが夜9時40分ー満月の晩だ。
3日目、4日目の2日間、オヤノマイ(親の参り、孫門徒)と言っている嫁いだ方々がお参りにおいでたとき、お斎を出す。
それと、8日のお講
ーかつて何日もお講があった時代は満日中の日のお講を「寺お講」と言ったー
に向けての準備で勝手元が賑わい出す。
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8日朝6時40分。
例のごとく掃き掃除をして、空を見上げると、西の山の端にまん丸い残月、有り明けの月が…。
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お斎の準備は整った。
11時半頃から、お呼ばれにおいでる。
出た券の数で、何膳分用意しなければならないのか勝手元では長年の経験でつかんでおいでるのだが、
どうも今年はおいしすぎたらしい
ご飯のおかわりが多くて、炊いたご飯が足りなくなり、追加で炊いたり、係の方の家へ取りに行ったり、一時大騒ぎだった。
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よばれた後には、慣習として10円をおいてくる。
これを「お角」代と言っている。
輪島塗の御膳・食器は傷んでも、その部分を塗り直すこと半永久に用いることが出来た。
昔は塗り職人が回ってきて傷みを修復していった。
そのための積み立て費用である。
今も、食器の買い換えように「お角」代が生きている。
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笑い声が絶えない勝手もと
女性たちの元気さ、はつらつさが8日の朝はみなぎっている。
いざ、時間になると、フル回転。
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「満日中」結讃「如来大悲…」のお勤めが終わり、
本来は前日にあげる御俗姓(ごぞくしょう)の御文を当寺ではこの日あげ、
引き続きお説教。二席目を途中で切っていただき、草鞋銭を集める。
このところ、途中で休みを入れないで、草鞋銭を集めている。
7日、8日は、日程がつまり、お説教、お参り、お説教になるなど今年は変則的になったが、
かつては満日中のお参り前に、
寺お講のお参り、お説教も行われていたので、
一席聞いてから、お参り、そして、まとめの一席の流れもいいもんだと思った。
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流し元の人たちも、後片付けを終え、お説教の場に参加。
廣陵師のお説教ということもあり、50人余の参詣。
私は、何度も聞いているので、節を入れられる間がだいたい分かる。
節が入り、いわゆる節談説教のゆえんである節の中で、決まって鳥肌が経つような感覚となり、ハイハイとなる。つい受け念仏が飛び出る感覚だ。


いつもは、外で聴聞しているのだが、最後のお説教は、中で聞いた。
廣陵師といえば高座だが…
はじめから聴衆のすぐ前、演台を全く使わないお説教で、一人一人と語りかけるように、お話が展開されていて、これにもあらためて驚いた。
7日は急に来られない事情が出来て、昼、御伝鈔の後のお話をさせていただいた。
それだけに、今回は、自分の話(講話?)とお説教の比較みたいになって、
長年培われてきた説教の深さを、より身にしみて味わった。
廣陵師は、77歳。
あすは金沢で…、北海道から九州まで、東西能登の御崇敬などにも出演なされる
ご健康を念ずるのみ。