ヨコノ書店

節分の晩、真宗寺院では「平太郎」の説法をした、ということが『世間胸算用』(井原西鶴)に載っている。
どうして、節分と平太郎が結びつくかといえば、
平太郎が熊野に参詣したのが、節分の晩だったという話が
江戸期には語られていたらしい。
そのことを、記した書物『新釈平太郎物語』が、
ヨコノ書店から出版されたことを知り、ヨコノ書店を探して歩いたのが
2008年1月のことだった。
5年前だ。
見つけられず、その頃、古本屋さんが次々閉店していたこともあって、昔の話ということにしていた。

昨日、歴博
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[石川県歴史博物館は27年3月まで休館。
2年後、何歳だ?
果たしてそれからも行くことがあるだろうか?]
から泉野へ向かう途中、
どこかで昼食をと、寺町のの奥(というほどでもない)ちょっと上の方へ行ったら、
なんとヨコノ書店があるではないか。


車を停めるところがわからず、かなり離れたところで車を置き、
古本、真宗本を眺める。
すぐ目に入ったのが、『歓喜嘆』の活字版。
盆踊りの原点とでもいうべき元禄期に刷られた『歓喜嘆』が
このような形で簡単に手にはいるとは、これはすごい(買い忘れた)
とまず驚いて、
本を見て回る。
近くには旅館もあるし、今度は、泊まりがけでじっくり見に来よう…
と、ずいぶん興奮しながら本棚を眺めた。
それにしても、どうして、この本屋が見つからなかったのだろう?


本を刊行なさっている御当主にたずねると、
ずーっと、ここで開いておられるそうだ

となると、
兼六園の山側、石引と
寺町の山側、十一屋、と
尾根を一つ間違えて、捜していたのかも知れない。
そうとしか、説明のしようがないのだが
ともあれ、あったのだ。

次の本を購入した。
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真宗法語撰 存覚上人』
編集釈彰信、平成22年ヨコノ書店刊
内容
報恩記、諸神本懐集、浄土見聞集、三心三信同一之事、弁述名体鈔、纔解記、
真宗信心鈔、真宗至道鈔、聖道浄土名目、一心帰西鈔、浄土法門見聞鈔、
女人往生聞き書き真宗鈔、彼岸記、無常説記、光明名号因縁、顕名鈔、教行信証大意、
存覚法語、決智鈔、持名鈔、歩船鈔、
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真宗法語撰 蓮如上人、覚如上人、実如上人、(赤尾道宗21ヶ条)』
平成22年、ヨコノ書店刊
内容
蓮如上人撰
真宗大綱御消息、一念発起抄、真宗教要鈔、念仏明要鈔、
安心用意集、持要抄、選正集、自要集、一宗意得之事、顕浄土真宗抄、
真宗正意集、袖中鈔、一念成就聞書、女人教化集、難易分別抄、真宗用意、真宗持専抄
覚如上人撰
覚如上人敬白文、真宗教化集、本願鈔、願々鈔、最要鈔
実教 赤尾道宗法語
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『松原祐善講義集 第二巻 恩師を偲びて
曽我量深先生、金子大栄先生、師恩を蒙りて』
文永堂書店、平成三年刊
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『信者めぐり』
編集者、近江野洲郡木津村大林・宇野最勝、
越中婦負郡山田村山田・竹田順道、 
大正11年刊、平成18年16版、大八木興文堂刊
内容
三田老人の親しんだ同行など
第一編 同行法義物語 8同行
第二編 東国明師物語 3老師
第三編 光触寺物語
第四編 浄教寺物語
第五編 西南明師物語 3師
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蓮如上人九十箇条』ヨコノ書店刊

次に行ったときは、『新釈平太郎物語』も捜してみよう。