中央アルプス縦走から43年ー東京で再会ー

昭和43年(1968)10月10日から13日にかけて、中央アルプスを縦走した。
メンバーは、
高校の同級生で、それぞれ東京、大阪、静岡で学生生活を送っていた大学4年生。
私以外の2人は、ワンダーフォゲル部に入っていたはずだ。
夏休みにでも話がまとまっていたのだったろう、
大阪の友がすべての計画を立て、
最初、9月中に縦走する予定だったのが、台風が来て、山は雪だというので、10月になったのだった。
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10日池山小屋泊。
写真は11日朝。余裕綽々。
14時15分空木岳(2864メートル)頂上。
殿池小屋泊。歩く場のないくらい多くの登山宿泊者と荷物。
朝3時起床。4時食事準備。
「月真っ白。霜ずんずん白天より降る。
6時40分出発。」
「 」内は、写真アルバムのメモ。
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7時東川岳頂上(2680メートル)。
「御岳綺麗」
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12日木曽駒ヶ岳宮田小屋泊。
別のところに有料の山小屋があり、
私たちは無料で、何もない宮田小屋に泊まった。
明け方寒くて目が覚め、2人を見ると震えながら寄り添っている。
そこに加わり、朝まで身を寄せながら過ごした。
「戸を開けて、猫みたい顔をした婆さんが入ってきて耳元で言った。
『今、上の方で2人凍死した。あんたはまだかね』
びっくりして目が覚めた。
脈はドッドッドッとうっている。
呼吸はハッハッハッという早さだ。
枕元の容器に入れておいた水が
カチンカチンに凍っている。」
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その日の朝。
ようやく人心地ついたところ。
下山したあとで気づいたのだが
シュラフでは覆えなかった口周りが
霜焼けでボロボロになっていた。
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木曽駒ヶ岳頂上(2956メートル)
12時半しらび平着。


唐突に、学生時代の想い出を載せたのは、
この時のメンバーのひとりから来た年賀状に
定年を迎えた奥さん(すぐ近所。幼稚園からの同級生)と共に、
4月になったら外国に移住すると、書いてあったことによる。


国内でも会うことがないのに、外国に行ってしまったら…、


何とか3月までに機会を設けて、と思っていたのが、
色々あって、出来なかった。
再度問い合わせると、4月25日に日本を去る(向こうへ行く)とのこと。
19日(木)飛行機で羽田に向かい、
夕方から山へ行った3人と、外国へ一緒に行く幼なじみとの4人で語り飲んだ。
20日(金)午前中には、民俗関係で青春の時を過ごした高桑守史氏と会い、

能登空港行きに、一席だけ出たキャンセルを利用して帰宅。



一日一日が「いのち」、
を地でいっている。