雲山の絵ー中能登町ー

7日(日)ある行事の打ち合わせで、中能登町のさるお寺へ寄った。
予定を立てるのが苦手で、ふーっと思いついた時に訪ねることしかできないのに、昨日はあらかじめ約束してからの行動。
昨日は猛烈な暑さで、広々とした広間でお話しした。春におじゃました時は座敷か居間での打ち合わせだったのできづかなかったのだが、
広間に入ると、いきなり写真の絵が飛び込んできた。


絵ごころはない方で、美術館などはまず出向かない。
この地方では有名な金沢近代美術館も行ったことがない。


そういうレベルなのだが、この4点の絵はいいと思った。
「いい絵やねー」というと
雲山だとおっしゃる。


聞いたことがある。
能登の絵描きで名を知っているのは「池野観了」ぐらいだったのが、最近二大画家とでもいうべき著名な画家がいることを知った。
それが山崎雲山だという人だったような気がした。
帰って『図説 能登の歴史』を確かめると、「孤高・漂白の能登の画人たちー「能登の大雅堂」と「孤高の南画家」」(若狭康子)に、若狭さんが「孤高の南画家」として書いておられるのが「山崎雲山」で、二大画家は若狭さんから教えていただいたのだった。


なお、この本が出たのは今年で編集委員として校正のために目を通していたこともあって、かろうじて「聞いたことのある名」程度に記憶していたのだ。
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観了の図録はあるが、
簡潔に紹介しておられる若狭さんの文以外に雲山について書いたものがないのだろうか?
訪ねていくうち、県立図書館の「石川県関係人物文献探索」に行き着いた。
『加能郷土辞彙』『石川県羽咋郡誌』『石川県史』『郷土の人と書』
志賀町史資料編第4巻』p474~485
能登文化財』第33「山崎雲山の資料研究」(堀田茂雄)
などに載っていることが分かった。


志賀町史』には12頁の本文、書画38点の写真が載っている。
この章、美術関係資料の執筆は島崎丞、北春千代、櫻井甚一氏である。
堀田茂雄氏の論は33輯以外にも「山崎雲山ー平戸弘の研究集録より」(『能登文化財』第17)があり、そこには展覧会の出品作品まで紹介しておいでる。


山崎「雲山」と同名の資料として、ここに紹介させていただく。