真宗ー思索・本

このごろ

○昨日、何がどこにあるのかがわかる程度ではあるが、ようやく部屋を片付けた。
風邪気味が長引いていたのと、
知人の誘いで、『図説・能登の歴史』という本の編集に関わっていて、
100の項目選びや執筆者依頼など、会議が何度かもたれ、その資料となる参考文献などが散らばっていたのが、
項目提示作業に一段落ついたのと、
ポカポカ陽気で、部屋を片付けようという気分になったのとで、片付いたのだ。

○4月30日、飯田高校総合学習で80名の生徒を相手に「能登の歴史と文化」と題し、2時間講義(後半はプロジェクター使用)をした。
総合学習の導入だと思い、校舎入り口の胸像・校歌から話に入ろうとレジメを作っていった。
開始前に知ったのは、導入ではなく、数回行った歴史部門授業の「まとめ」として、私の講義が位置づけされていた。新学期が始まったばかりだとの思いこみから、導入と思ったのだが、既に何度か授業は行われているのだ。
また、この8日に中能登町でお話しすることについても…2時から郷土史研究会の総会があり、その後、おそらく20分頃から話すのだと思って「能登を知る会」メンバーの方々に案内を出したのだが、講義開始が2時であることが後でわかった。
要するに、このところ、肝心な部分・かなめを聞き漏らしている。
まずい。

○朝、新聞を読み、インスタントコーヒーを飲みながら、
開くことにしているいくつかのブログがある。
それらのブログは、書いている人を知っていたか、その周辺のブログなのだが、
数日前に、まず最初に開いていたブログが消えて(引き上げて)しまった(ようだ)。
これまでの記事も見ることが出来ない。
ある日突然……、きれいな写真が去り、「登録されたポストがありません」の文だけが目に飛び込んでくる。
…寂しい。
※13日追記ー復活していた。よかった。


というようなことがあれこれ…あって。
5月。

真宗ー本

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真宗と他者』大桑斉著。法藏館刊。
ご本人から届いたこの本を見る少し前…、
他者を無視し、事実関係の確認のない独善的な本に出会い、ガックリしていた時だったので、
この本を見て、無条件に元気づけられた。
他者を正面に据えて問いかけようとしている人がおいでる…
それだけで、まんざらではない、よかった…と思った。
帯文・コピー
真宗評論ー沈黙する真宗へーなぜ人を殺してはいけないのかーという現代からの問い。
それに浄土真宗は応答し得ているのか。
「他者」のいない世界に住してはいないか。」
コピー通り、ボーとしていないか…を、問いかけてくる闘いの本だ。
読む者は、徹底的に著者と語り合い、思いのたけをぶつけ合わねばならない。
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『日本的霊性鈴木大拙著。角川ソフィア文庫
友人であり教学の先達である日野賢之氏から、是非読めと勧められていた本。
完全版が手に入りやすい形で出版されたので購入。
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『「かなしみ」の哲学 日本精神史の源をさぐる』竹内整一著。NHKブックス
帯「「悲の器」たる人間存在の意味を問う」
「有限と無限をめぐる感情
 わたしたちは古代から今にいたるまで、
 「かなしみ」を主題にした歌や物語に慣れ親しんできた。
 本来厭うべきはずであるこの感情を
 積極的に享受し表現してきた日本人の態度から、
 どのような世界観を引き出すことができるのか。
 かなしむ「われ」(自分)の中に、
 日本的美意識や倫理感覚が生まれる瞬間を見定め、
 かぎりある人間とかぎりのない世界との関係の本質に迫る、
 …」
 かぎりある人間と浄土との関係。

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真宗の実践』池田勇諦著。東本願寺出版部刊。
「〈信心〉と〈社会に生きること〉が なぜ別々になってしまうのだろう?」の問いかけ。
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暁烏敏の挑戦』松田章一著。北國新聞社出版局。
2005年の本。古本屋で購入。
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『問われつつあるもの』出雲路暢良選集Ⅱ。樹心社刊。
最終刊。後書きや月報を書いている人が、どういう人たちなのかが、分からない。
全巻予約注文した関係なのだろうが、出版完結記念懇親会の案内が来ていた。
そのような場に顔を出せば、どういう人たちなのか分かるのかも知れない。
中身が問題なのであって、肩書きには意味がない…
に徹底しておられるのだろうか…
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親鸞と学的精神』今村仁司著。岩波書店刊。『現代語訳 清沢満之語録』今村仁司編訳。岩波現代文庫
前書の帯は「教行信証哲学書として読む。」。著者の絶筆。
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愚禿鈔講義録(六)』『化身土巻聴記』宗正元講述。雲集学舎刊。
この方の講述などは相当たまったが、発行先が東京ということもあって、どういう方なのか知らないでいる。
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『宙返りの練習』田口ランディ著。東本願寺出版部刊。
「なぜだろう、どんどん身軽になっていく。
 世界が違って見えてくる。」(帯)

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真宗教団の地域と歴史』草野顕之著。清文堂刊。
この1日に届いた。
金龍静氏は「本山史と地域教団史の立体的統合」と題した推薦文を書いておいでる。
その題が示すとおりの分野の開拓で、裾野はどこまでも広く、これからの手本となる論集。
氏は4月から大谷大学学長、ここで培われつつある問題意識が生かされるのだろう。
高山別院など、知っているお寺が何カ所も取り上げられていて、引き込まれる。
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真宗 相傳叢書 別巻』相承学薗刊。
全19巻完結。
この別巻には、この叢書発行の中心となってこられた近松暢誉師、
それに、太田浩史師の解説が載っている。
そこには、伝統(高倉)教学、蓮如(相伝)教学、近代教学などと呼ばれている教学の特色が簡潔に記されている。
これらの違いらしき点=定義を、理解できそうな気持ちになった。
何よりも、太田氏の勉学の成果・姿勢に驚いている。
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『相傳叢書 月報 抜粋』。
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『シリーズ親鸞 第一巻 歴史の中の親鸞』名畑崇著。筑摩書房刊。
名畑先生の文は、歴史研究者らしく、正確・しっかりしていることで定評がある。
安心して読み進めることが出来る好著。


この他、塩谷菊美さんから「『親鸞聖人正明伝』と知空著『御伝照蒙記』ー「伝存覚作」の実態ー」をいただいた。
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この緻密な論とは直接関係ないが、
存覚上人著『六要抄』が、伝統教学『教行信証』理解の基本文献であることを『相傳叢書・別巻』から知った。