「なべかけず」ー秋祭りと「よばれ」ー

「よばれにきてくだしんすけ…」
ご招待には、相手方の家に必ず足を運び、招待の旨を伝えるのが普通だった。
その折に、家族のこと、世間話などを交わした。
実りの秋。
電話、はがきにとだいぶ様子は変わったが、「よばれに…」が飛び交う。

親戚、知人宅に連日まつりごっそう(ご馳走)を「よばれ」に回るため、この季節は家で鍋をかけることもなく、「鍋いらず」だったか「鍋かけず」だったか、珠洲だけに通ずる季語のような表現がある。


私も9月15日などは三地区をタクシーで回ったこともあったが、
体力が続かず、数年前からお呼びすることも、いくことも止めた。


ところで、地域誌を作るとすると、キリコの写真がいるのだろうな…と思い立ち、
とりあえず、6日の春日野のキリコを撮りに行った。
キリコが動き出してからは邪魔になるし、フラッシュを使っての写真は成功したことがないので、写すのは夕方までだ。


奥能登のキリコ祭り日程(平成4年度)PDF

「珠洲市の祭りカレンダー・平成20年度版」


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春日野のキリコは、武者絵、美人画がなく、前も後ろも浮き字(紋)である。
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猿の子も。
参考口能登の猿の子
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大畠地区。
この付近は宿神社に合祀前の椎の宮エリアだったらしく、
ぼんぼりに「椎の宮」と書いてある。