精進料理、お斎ーぶえん、非時、まな板・さい板、一汁三菜ー若坊守講習会

8日に「真宗における精進料理について」と題して、若坊守研修会(七尾市能登教務所)でお話しした。


依頼は、
料理そのものについては、色々知る機会があるが、そもそも精進料理や「お斎」がどこから来ているのか、そのあたりについて知りたい、とのことだった。


六斎日と縁日、寄合と両度の御命日、蓮如上人ご遺言における三汁五菜などを折々にお話ししたり、
六斎日は天武期から始まったとしてきた原拠は、どこにあったのだろう、などと考えていたこともあって、喜んでお引き受けした。
その時点では、六斎日と蓮如上人御遺言を結びつけてみようと考えていたのだが、
調べていくと、どんどん色んな世界が広がっていった。


結局、以下の文献を読み、引用することになった。


ー導入部ー
『日本を知る辞典』
樋口清之日本人の歴史2食物』
『日本民俗学大系6(生活民俗Ⅰ衣食住)』
『底本柳田国男集第四巻(山の人生)』

法然上人絵伝34』、
真宗辞典』
『仏教学辞典』
「御伝鈔」(『真宗聖典』)
今昔物語集三』
『碧山日録』
蓮如上人行実』(稲葉昌丸編)
ひかりごけ」(武田泰淳


ー設斎・斎(時)・六斎ー
『日本民俗大辞典』
国史大辞典』
日本書紀』(敏達・天武・持統天皇期)
律令』(僧尼令、雑令)
続日本紀』(天平期)


真宗の精進料理ー
「口伝鈔」(『真宗聖典』)
蓮如上人御遺言」(『蓮如上人行実』)
「實悟記」(『真宗聖教』三)
「貞永年中二十一箇条掟」
「山科十七箇条」
「諸国末寺僧徒可守之掟」
「三箇条」
「御本山御代々制条(「六条掟」「本願寺条制」など)」
真宗故実伝来鈔」
「考信録」(以上『真宗史料集成』第九巻)
などである。

 
奈良仏教の概念が、在家仏教に取り入れられていったいきさつ、
本願寺の料理流派「進士流」のこと、
「両度の御命日(毎月の寄合)」25(法然上人)・28日と、18(存如上人)・28日の関係、移行期における25日の位置づけ、
当屋(頭屋)制の始まりなど、
次々、疑問が湧いては、あるていど解けていくのが実に面白かった。
二日もかけて「楪子」の読み方が分かったときは、なーんだ…、だったが


決まりごとに「食」に関することが多く、
「食平等」をあらためて考えさせられた。


能登のお寺では、精進包丁とベン(無塩)包丁を使い分け、
当組が御講を行う風習が続いていること、
両度の御命日の六日様、八日様などの語が、多くの方々の記憶にあることなど
今回、調べたことが生き続けている。
だからこそ、
興味を持続しながら、資料を集め読み続けることが出来たのだろう。


坊守会では、約2時間の講義。
話し終わったので、はい次…、といういつものパターンにはなかなかなれず、
まだ、余韻が残っている。