珠洲市仏教会として

珠洲市には市内全寺院の住職が構成メンバーである珠洲市仏教会がある。
まだ何にもしていないが、今年4月からその会の会長をお引き受けしている。

その仏教会役員を中心に、

昨日(21日)、次の記事のことがあった。
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「中日新聞」(pdf)ー一番左側、委嘱状の文面を聞いているのが私。
その手前に日蓮宗真宗大谷派曹洞宗のそれぞれご住職。
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「北國新聞」(pdf)ー前出の4人の次が真宗大谷派臨済宗国泰寺派ご住職。


真宗王国といわれている加賀能登では
真宗門徒だけという地域がかなりある。
珠洲市は、写真キャプションで分かるように
様々な宗派が入り混じる独特の地域となっている。
三方が海に面し、多くの派の教線が海から入ってきたためと考えられるが、
そのことを知らないというか、あまり意識しないため、
私たちは能登中が同様に様々な宗派が入り混じっているものだと思っているし、
口(くち)能登以南の真宗地帯の人びとは、奥へ行けば行くほど徹底した真宗地帯だと思っている節がある。


現在62ヶ寺が珠洲市仏教会に属しており、
そのうち
真宗大谷派は42ケ寺(68㌫)
曹洞宗9ケ寺(15㌫)
臨済宗3ヶ寺(5㌫)
真言宗日蓮宗各2ヶ寺(3㌫ずつ)
天台、淨土、浄土真宗本願寺派、独立各1寺(2㌫ずつ)
と、大谷派が7割近く占めるものの、8宗派が存在しているのである。

能登島門徒分布

次の図は、昭和58年に刊行された『能登島町史』資料編第2巻に載せた近世20ヵ村を有する能登島の門徒分部図(pdf)である。
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大谷派本願寺派がまじりあっているものの全島が真宗である。


調査に入った時は、同じ能登なのになんという違いだ…
とカルチャーショックを受けた。
そのあと、鹿島町史に携わった時も
次のようなイメージを抱いていた。
石動山(セキドウザンー一山が真言宗天平寺を名乗り、泣く子も黙る石動(いするぎ)法師を輩出)を有するのだから、廃仏毀釈天平寺はなくなっても、多くの檀家は各地の真言寺院に引き取られ、至るところに真言檀家があるのだろう…と。
ところが24のムラを有する鹿島町の98㌫が真宗門徒で、御崇敬(ごそっきょう)を始めとして、地域を越えた様々な講があることを知り、
やはり大いなるカルチャーショックを受けた。
それからは、私の住んでいる地域が
能登では特異なのだと思うことにした。


だから、仏教会が必要な地域があることの方が珍しいのだろう。
という解説を付して、この記事を見る必要がある。