「済度される鬼神ー続き因縁話の世界」


12月に5ヶ月遅れで出した原稿。400字詰め90枚の「済度される鬼神ー続き因縁話の世界」が
『説話論集』第十六集に載り、手元に届いた。
見たとおりすっきりした本で、いかにも研究書らしい。
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このあたりが抜けているのだが、このシリーズをみないままに書いたため、
キシットした論がならんでいるなかで、私の書いたものだけがエッセイ風というか浮いて(沈んで)いる。


【目次】
愛染明王と性の神学ー『瑜伽経』解釈学を起点とする中世日本の性と身体ー小川豊生(摂南大学国語学部教授)
・『頼朝之最期』における弁才天本身顕現譚を巡ってー伊藤聡(茨城大学人文学部教授)
・鬼子母は五道大神の妻なりー出雲路修(毫摂寺住職)
・『日本霊異記』の神々ー藪敏晴(佐賀女子短期大学教授)
住吉明神説話についてー住吉大社神代記から住吉物語におよぶー新間水緒(花園大学文学部教授)
・スサノヲの神性ー悪神と善神ーー寺川眞知夫(同志社女子大学学芸学部教授)
長谷寺の善神諸神ー特に童子を中心としてー横田隆志(神戸大学大学院人文学研究科専任講師)
孔子の伝説ー「孔子項託相問書」考ー金文京(京都大学人文科学研究所教授)
伯耆富士と吉尾翁ー『伊豆国奥野翁物語』を読むー斎藤真麻里(国文学研究資料館准教授)
・済度される鬼神ー続き因縁話の世界ー西山郷史真宗大谷派西勝寺住職)


最後にでも置かないと収まりがつかなかったのだろう。
締め切りには遅れるは、説話と説話文学の会が営々と作り上げてきた了解事項を知らないは…で、
さぞかし担当者の方々はお困りになったことと思う。

今回の担当者のお一人である出雲路修氏は30代で東洋文庫の『御ふみ』を著された方で、
お名前は随分昔から存じ上げているが多分お会いしたことはないのだろうし、
他の方々にいたってはお名前を知ることもなかった。


いかに狭い世界に生きてきたのか、いるのかを、
本が届いたことによって思い知らされている。
 
 
研究者でもない私が言うのはおこがましいのだけれど、
書きなぐっていた頃、いちいち註釈を見るのが邪魔で註釈なしの文を書くことに心掛けたことがあった。
それがいい場合もあるはずなのだが、本格的論考が並んでいる中では場違いだった。


全体テーマーが、「説話の中の善悪諸神」で、「鬼神」としたのはうぶでいい。
一方、年は上から二人目。
この夕焼けの向こうに、研究者さんたちがおいでるのだ。


こういう風に書いていくと、ほとんど独り言になっていく。


ともあれ、清文堂から7000円+税の、
すごい本( しつこいけど私のを除いて… )が出た。


今日、抜き刷りをやりとりしている知人たちにコピーを送った。
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最期
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