映画ー「わかれ道」

どうして映画を見なくなったのだろう…。

それを辿る前に
最も感動したのは、「わかれ道」?だった。
白黒の小さな画面の映画だった。

少女はお父さんが大好きだった。
途中の話はほとんど忘れたが、黒人の父と白人の母。母方の親戚が 夫婦が別れなければならないように追いつめ、娘を母方が引き取ることになった。
そして、調停が終わる。
事情が飲み込めないままに、娘は母方の親戚に囲まれ、つれていこうとされる。
少女が父を見つけ、父の元へ走っていって、大きな父の膝上あたりをコブシで叩きながら、
お父さん…どうして
わたしを嫌いになったの…
と泣き叫ぶ。

バックに音楽。
【実際のあらすじ】Movie Walker より 
アメリカ中西部の小都市ハワードの裁判所では、1人の少女の親権をめぐる裁決が行われようとしていた……。ジュリー(バーバラ・バリー)は若くしてジョーと結婚し、娘エレン(マルティ・メリカ)を生んだ。だが野心に燃えていたジョーは、妻と娘を残して南米へ旅立ってしまった。初めは送金もあり手紙も来たが、やがて途絶え生死もわからなくなった。ジュリーは離婚の手続きをとると、エレンを連れてハワードの町に移り工場に勤めるようになった。そこでフランク(バーニー・ハミルトン)という黒人青年と知りあい、やがて2人は結婚し男の子が生まれた。エレンにとってはもちろん、一家にとっても平和な日が続いた。ところがある日、ジョーが帰ってきた。南米で得た金で何とかしてやりたいと訪ねてきたのであるが、ジュリーの再婚した相手が黒人だと知ると、あまりのショックに口もきけなかった。そしてエレンが大人になった時、黒人の娘ではどんなに惨めな思いをするだろうと考え、親権主張の訴えを起こした。ジュリーの懇願にもかかわらず、訴訟の取り下げをしなかったのは、ジョーの心の奥底に、ジュリーの愛を得た黒人への激しい嫉妬があったのだ。判決の日が来た。判事は「社会に偏見が存在する以上、少女の将来の幸せを危険にさらすことは出来ない」といい、ジョーをエレンの親権者と認めた。別れの日、「一緒にいさせて」というエレンの必死のまなざしに、大人達は言葉がなかった。エレンは母を打った。愛と怒りと悲しみをこめて……。泣き叫ぶエレンを乗せて車は走り去った。

バアァーと涙が溢れ出る、というのはああいうことなのだろう…
どばーっと流れ出て、学生服ー当時の学生は、上は学生服、ズボンは大人のズボン姿が普通だったーの袖口で涙をふく間もなく、ぼうだの涙を垂れ流しながら、画面を見つめていた。


父と子供…。どちらも好きで好きでならないのに、なぜ…


その時、その場面で映画が終わり、パッと映画館が明るくなったのだ。


誰に見られているわけでもないが、今でも顔中くしゃくしゃをライトにさらすのは格好悪い。まして気取っていた20歳前後だ、わわわ…と戸惑いながら、外へ出た。
その夫役が、どうもシドニーポアチエ、だったような気がするのだが、映画論ではないので、この程度にしておく。
違っていた

映画が、ダメになったのは、「風林火山」。
特にリアルさが売り物の映画だったような気がする。

ラスト近くで主人公の目に弓がささった。


あれ以来、映画には次の瞬間、何が起こるか分からないから、見ない。

見ることができない。怖い。

 
先がわからないのは、娑婆だけで充分。


雨は、まだ、しとしとと しとしとと降っている。


あれー、シトシトピッチャン…大五郎、「子連れ狼」が 頭の中に流れてきたぞ…。