原稿を書く早さー手術ー書けない日々

全然関係ないのだが、6月末締めがあった。
五来重全集月報8枚。今日中だ。
エッセー風下書き、イメージが固まれば、原稿用紙1枚30分。
それから後は、きっちり仕上げるために、出来るだけ時間を使う。


ところで、
30代から40代にかけてだったろうか…?
書きたいと思うイメージが次々湧いてきて、筆のスピードが追いつかない時期があった。
書いているうちに取りこぼしてしまう。
それをなんとかしようと缶ビールを飲んだ。
ボアーッとした状態で下書きを書くと、うまくいった。
 
酔いを覚ましてから、今度は、清書に入った。


ある時期から、それが出来なくなった。
ビールを飲むと眠くなり寝てしまう。
こんなはずではない、こんなはずはない。
今日は特別なのだ…。疲れているのだ。
そうではなかった。
飲めば寝てしまう。
となると夜中に…起きて、原稿書きとなる。


缶ビール。
夜中に目覚めて原稿書き。
煙草は一日70本。
インスタントーコーヒー、がば飲み。
朝食抜きで、インスタントコーヒー


それでも、健康そのものだと思っていた。
というのも、30代に人間ドックで検査を受けたとき…、
お医者さんが、
「こんな数字が実際出るのか…」と驚くほどの理想値を示していたのだ。

何度目かの手術の話し

1昨年の6月25日。資料館も辞めたし、調子は悪かったが、
もう一度、健康ですね!を確かめようと一日ドックへ入った。
あれもだめ、これもだめ、いっぱいだめだといわれただけでなく、
5日後の30日、 ( ノートを見たところ、…ありゃ、りゃ、2年前の今日だ…!!今日は、記念日だ )
に、お医者さんから直接電話がかってきた。


最悪のケース1,2を考え、お医者さんの元へ行くと、最悪2だと告げられた。

翌、1日(木)にはどういう手術をしたらいいのかを判断するため、6箇所をプチプチと取り、…

8日にその結果が分かり、
12日(月)に手術をした。
その時の様子が、
ノートに
12日手術
14日水許可
15日おもゆ→三分粥
17日点滴終了
18日退院
19日門前で講義、と書いてある。
18、19日あたりは滅茶苦茶。


看護婦で多分同級生の妻だと思うのだが、「 ( この病気になっったのは)働き過ぎね…」と点滴を見に来ながら、言った。
あの年は、
検査の翌日の26日は
白峰で地蔵巡りと夜講演
27日白峰巡りと調査、
29日組役員会、
30日病院、
7月1日検査、
2日お年忌、
3日県民大学校5回中4回目の講演。
4日~10日祠堂経、
11日お年忌、
手術入院中も、予定では、
12日教区教化委員会総会、
14日金沢でお墓参り、
15日市年金者組合追弔会、
16日8組坊守会、
17日組真宗講座。講師浅田氏を金沢まで送り迎え。
18日おわたまし、と、
滅茶苦茶な予定が入っていた。

「わがこころのよくて、ころさぬにあらず」ー恐怖の瞬間

「…働き過ぎね。」
だれでもそうだろうけど、特に私は、病院がダメだ。
白衣で血圧がバーンと上がり、
注射で卒倒しそうになる。
臆病なのだ。

それを誤魔化すため、
しゃべりまくるタイプになったらしい。


手術となれば、最悪のケースを想定しておかないとならない。
万一に備えて、
片付けに入った。
 

凛々しく現実を見つめたか?
ひたすら手術の恐怖から逃れるようとしたか?


ボーーと…現実逃避をしたようだ。
その結果…。
忘却。


『俘虜記』(大岡昇平)に「わがこころのよくて、ころさぬにはあらず」「歎異抄」13真宗聖典p633が
記されている後に、事件が記されている…
若き敵とばったり出くわしてしまい、
お互い発砲せずに通り過ぎる。
その時が真っ白で、どのようにすれ違ったのか全く思い出せない…と、
書いてある。


私も、うまく忘れすぎて、
忘れなくてもいいものまで、だいぶ霞にしてしまっている。
 


一旦記憶から消えたら、もうないのだから、
思い出す術もない。
それに禁煙。


手術は、わざと胃潰瘍にして、
いらない細胞を摘出する、というものだったから、
その後の、食生活は、ビスコにウエハース。
コーヒーも、ビールも受け付けなくなってしまった( ビールは努力して、元へ戻った )。

「思い」は変わらない

体は中学生。
頭の働きは、どこか、ビスコ、ウエハース世代に返ってしまったようなのだ。
思索はすぐに途切れるし、
数分前に話したことが思い出せない…状態となった。


抱えていた『能登国三十三観音のたび』、
門前町史90p分は、なんとか仕上げた。
が、能登国は、本当に書くのに苦労した。


町史では、最も多くの原稿を書いたのだから、書き方を思い出すだろうと、期待したのだが、
そうでもなかった。


そういう経過の中で、なんとか、繋がる文が書けるようにしたい、
と、2冊の本の原稿を終えた後の昨年11月から始めたのがこのブログ…
いわば、私なりのリハビリであり、それが続いている。

 
まだ、頭はぼーっとしている。
 

なのに、30分あれば400字詰め1枚書ける
と、まだ思っている。
「思い」とは、不思議なものだ。


ともあれ、書かなくちゃ…。
と、思ったのだが、○○記念日だ、乾杯して、明日にしよう、
というわけにはいかないのだろうな…。