白峰で飲む

5日に輪島繩又で勉強会があり、
その前日、白峰で泊まり飲んだ。
メンバーは挿絵画家のN氏。
前公務員のN氏(公Nにしておこう)。
それに民衆文化研究家のM氏との4人に、
現地に待っていた地元資料館長さんとの5人。


おいしいお酒と食事…とおっしゃるのをよく聞くが、
私の場合は、今を五濁悪世悪世界ととらえる気持ちが強くて、
皆目そんな気分になれない。
世を嘆き、そこからはい上がろう、
何が出来るのだろう、と、もがく酒なので、
どうしても同席の人の迷惑になる。
それで、最近は人をお誘いすることが出来なくなっている。


それが、5人で飲むことになったのには、
ちょいとしたいきさつがあった。


公N氏から「退職して別な仕事に就いた。また機会があったら飲もう…。」との葉書が届いた。
昨年度のNHK大河ドラマ義経」の舞台に珠洲を…と陳情にNHKに窺ったとき、
公N氏に世話になり、夜も忙しいのに付き合ってもらった。
いつかお礼をしたいと思っていた。


その頃、N氏が本代だといって現金を置いていった。
いらない、いや置いていく、
の押し問答の末、飲み代の基金にしようということで預かった。


やはりその頃、T氏から「飲まんか…」と電話が入った( 彼はこの日は無理で参加しなかった )。


そういう条件が整ったので、
この機会にいつもご迷惑をかけているM氏にも声をかけ、
静かな山の中で飲んだのだ。


素晴らしい料理が出たのに、
「悪世悪世界」を嘆き、懺悔しかない日々を送っているワタシャー、
ほとんど食べずに喋りまくり、バタンキュー。


翌朝、豪華で滅茶苦茶広い部屋で目が覚め、
洗面用具を捜すが広くて見つからない。
館長兼管理人さんに、アノーー、洗面用具が…
といいつつ一緒に部屋に向かうと


何と、隣の部屋で寝ていたのだった。


その後、N氏を送り、輪島へ向かった。
あまりに道を間違えるので、心配したN氏から電話だけでなく、
ファックスも入っていた。


道を間違えるのがいつもの私で、
間違えないことの方が少ないのだが、
絵画世界でものを的確に捉える彼としては、
方向音痴世界は理解が及ばないのだろう。
それにしても案じてもらって有り難い。


カメラも忘れていった。
それで間違えた素晴らしい部屋は撮ることが出来ず…。