不空羂索観音と千手観音の違いー七尾市




我が家へは、手紙が11時半頃に配達される。
それを確かめて、昼食。
時には、食事中、考えなくてはならないことがある。
昨日は、そのような手紙が届いた。
お書きになったのは、敬愛する地域研究者である。

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能登国三十三観音十一番札所高畠正霊寺本尊
「(高畠正霊寺観音は)私共はかねて不空羂索観音と聞き及んでいたのですが、
(『能登国三十三観音のたび』)55ページには千手観音とあるので、
どちらであるかについて教えていただきたく存じます」とあり、
「本尊は三面八臂〈はっぴ〉の木造不空羂索〈ふくうけんじゃく〉観音立像である」
と記した 『かしまの歴史探訪』(昭和63・1988年刊)のコピーが同封されていた。
さらに、『図説仏像巡礼事典』久野健編・山川出版社のp36~p40を読んで、
不空羂索観音の項に適合しているのではないかと思う。どうなんだろうか…
というのが、その内容。


写真の観音さんを、最近出版した『能登国三十三観音のたび』に
千手観音と紹介したことについての疑問ー批判かもしれないーである。


食事をしながら記憶を辿った。
まず、この観音様が不空羂索観音であるという説を知っていたのだったろうか、
知らないままに千手観音と書いたのだったろうか…。から始まる。
少なくとも「かしまの歴史探訪」という本があることは知らなかった。
鹿島町史』資料編上巻が出版されたのが昭和57(1982)年のことなので、
時期から考えて、コピーの記事は町史を踏まえて書かれているのは間違いない。


便せん4枚の返事を書いて、夕方にお返事を送った。