天神さん、法然・蓮如上人の共通点

天神さん、法然上人、蓮如上人。

この方々の共通点は?… 
25日の今日が御命日です。
蓮如上人は、御命日を御明日とも表されている。


今日も講演の話。

 
加越能では、12月25日に天神さんを飾り、1月25日にそれを仕舞う。
藩政時代の武士や、近代に入っても町家では「天神堂」を飾った。
他地域では画像であることが多い。
高岡あたりでは男子の数だけ画像を飾る。


この飾りに関して、飾り付けはその日の遅く、仕舞うのは朝早くすべきだとされる。
遅くと早くの関係は、「あえのこと(アエノコト・田の神様)」がそうだし、雛飾りも同様である。
お雛様は、仕舞うのが遅くなると婚期に遅れる、などと説明される。


天神さんを送り出すのが遅くなると、在所の大事な天神さんが、その一年は神々の下座に座らされると語り合って、
早朝からお萩(かいもち)を作ることも行われていたのである。

 
神無月になると神々は出雲へ向かうが、たいていの神々は長月・9月30日、あるいは28日に旅立つ(※1)。
その中で、井守上坂〈いもりあげさか・門前町〉の神は、25日に他の神々の蓑・傘を担いで一足先に出雲に出かけるという伝承がある(※2)。
逆に、能登島惣社として天神さんが勧請されている島別所の別所比咩神は、後片付けをして最後に旅立つという(※1)。
25日でなくとも、天神さんは特別扱いをされていたらしいことが窺われる。
  ※1『能登島町史』資料編第2巻p922
  ※2『新修門前町史』民俗編
  

興味深い伝承を多く持つ天神さん。
そのシンボルでもある天神堂が
正月に向けて一堂に展示されるという。


その会場の金沢民俗資料館でお話しすることになった。
12月25日にお話し出来ればよかったのだが、そう都合よくはいかない。
そういうこともあって、
一月早いが、縁日である今日、
天神さんについて触れてみた。


天神さんの本地が観音菩薩である。
菅原道真も、法然上人も(勢至菩薩の方が関係が深いかな?)、
蓮如上人も観音さんと深い関係を有する。