聞き手と勝負
19日講義の対象者は主に郷土史研究会のメンバーだった。
どこかで響き合いがあり、
話していても楽しい。
苦手なのは、会議があって、それだけで終わるのもどうか…、
一つ講演(講義)を入れておこう、という形の場で話す場合である。
今日の午後はその苦手な方の場での講演だった。
むしろ、そういう場を、得意にされてる方もいるのだろう、
万人が楽しまれる話題をお持ちの方もいるのだろう。
あるいは、関心をお持ちでない方はどうぞお好きに、
耳を傾けられる方々を対象にお話しします。という方もおいでになるだろう。
困ったことに、私は、一人でも上の空・別行動をなさっている方がおいでると、
その人が気になってたまらなくなり、時には、話がしどろもどろになってしまうタイプなのだ。
今日は30名近くの聴衆の中に、話し始めてから、いつになっても眼鏡のレンズをふいておられる方がいた。
12ポイント活字で作った資料が見えにくいので、レンズを磨いておられるのかと思ったが、そうではなさそうだ。どうも、それがくせのようである。
ついそちらの方に視線がいってしまう。いつまでレンズだよ…。
何とか眼鏡ふきを止めてもらわないと、話を進めなくなったのを誤魔化すのに「そこの人、いつまで眼鏡をふいているのですか」と言ってしまうぞ。
この難局を乗り越えるには…
プリントの確認をして下さい。……ここで、手がプリントに移り、気になる光景は、消えた。
今度は、一人、腕組みをしてドーンとしている人が目に付きだした。
別に、腕を組もうが、どうしようが、勝手といえば勝手だ。
以前、タバコを吸いながら話を聞いていた教員さえいたのだから、それぐらいは…
と、頭の2割ほどで葛藤し、残りの頭は、話を進めている。
これも、どこかでバランスが崩れそうだ。
その前に何とかしなくちゃ、と思いながら話を進めていると、難しい語句が出てきた。
ラッキー。振り仮名を振ってください。
腕組み解除。
今回も、苦手を克服できなかった…。
帰り道に思ったのは、
早く帰ってビールを飲もう!