泰山木・たいさんぼく、東井義男氏。ほのぼのカレンダー。

大庭の泰山木の花が綺麗なので、活けておいたと連れ合いがいうので。写真に。

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床の間に活けられた「泰山木」の花。8月12日(木)18時48分

香りもいいのだそうだが、お寺はいつも何かの香りがあちこちで漂っているので、今まで泰山木の花の香りを気にしたことがなかった。そばで匂いをかいでみる。なるほど…。

ほのぼのカレンダー2022年ー泰山木
絵・文字 谷内正遠さん。詩・東井嘉雄さん。
東井嘉雄さんの詩の解説『春夏秋冬 いつもありがとう』を読んでいると、次の文に出会った。

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『春夏秋冬いつもありがとう』東井嘉雄氏

東井氏の勤めていた学校の校庭に泰山木があったのだ。

 

私が教員になって2年目に全国教研・山形大会に参加したことがある。

発表者ではなく、県青年部長枠に、部長の代わりに
(県青年部長は羽咋高校、私は隣の羽咋工業分会の青年部長だった。部長が行けないので、あったこともない部長に代わりに隣の学校というだけで、どうかと打診があったはず。今から思えば副部長、地区部長などもいただろうに、どうかといわれて、ホイと行ったのかなぁ…)
山形教研に行き、おもに関心のあった人権分科会のレポートを聞いた。
この年、八鹿高校問題が起こり、同校関係者発表の時は、会場が熱気に包まれ、私は初めて響き渡る「解放歌」を聞いた。
それから長い年月を経て、東井嘉雄氏の詩に関心を抱く頃になって、先生はそのあたりの学校で教えておられたことを知った。

そんな出来事が、この文に出会ったことによって、次々と浮かんでは消え―

ああー!タイサンボク―となったのである。

 

何事も、あざなえる縄だ。

この泰山木には、次のような関わりもある。
そうとう暑かったある夏、泰山木の葉が茂りすぎてきたので、はしごに登って枝を払った。そのうち、スズメバチが回りに現れたが、気にしないで伐っていたら、一匹の元気のいいスズメバチが目の前で歯を鳴らすようにカチカチさせだした。

ハチがカチカチいいだしたら、攻撃前の(最後)通告だいうことは、知識として知ってはいた。

葉に隠れていて気づかなかったのだが、すぐそば葉隠れに大きなスズメバチの巣があったのである。

蜂の巣を見つけてどう判断したか?

状況は、すぐ撤退しろなのに、私は、昼の暑い盛りなので巣の蜂は、働きに出ていていないだろうと考え、さらに、折角登ってきたのだから、今の間に巣を落としてしまえ!!と、切り落とした。

大きな巣が勢いよくコンクリート通路に叩きつけられた瞬間、巣からスズメバチがワーッと飛び出し、足の数カ所を、数匹に刺されてしまった。

顔を両手隠しながらはしごから飛び降りた時、カガトを打ち付け(カガトの骨にひびが入った)、まもなくお医者さんで、生まれて初めての点滴経験をすることになる。

 

知識として知っているだけでは(私の場合)ダメで、痛い目にあって内実をともなう知識となる。その後、スズメバチとの攻防は、夜に変わった。
 
その泰山木に、今日、新たな物語が加わった。

この東井さんの解説は、5月の詩
「草も木もいのちを輝かせながら伸びていく」のもので、
カレンダーの絵・文字は次の通り。

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「草も木もいのちを 輝かせながら伸びていく」文・東井嘉雄、絵・文字 谷内正遠氏


ありがたいことに、来年のカレンダーにはどこの絵かが分かるようになっている。
今までは、風景版画であっても、どこか分からなかった。
講義か何かに利用して、どうしてもどこか知りたいことがあったら、谷内さんに電話すればいい、ぐらいに思っていたのが、

谷内さんは、この7月28日、親鸞聖人のご命日に還帰なされた。

それを知ったとき、もう谷内さんに聞くことが出来ないのだなぁーとの思いもよぎっていたのである。
法藏館・探求社さんのすごさなのかも知れない。
今までの見方だったら、この絵を、私は「信州の高原から見る八ヶ岳連峰(連峰があるかどうかは知らない)」あたりで納得することにしていた。

 

絵の左に「北海道十勝地方」とある。
行ったことはないが、ちょっと十勝が懐かしい土地となった。

 

13日朝の「泰山木の花」

泰山木は一日花であることは知っている。

昨日夕方の花は、夜の間にどうなったのだろう?

夜、匂う花だとも言っていたが…。

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13日の泰山木の花(8時18分)

見事に咲いている。

部屋へ近づいただけで甘酸っぱい匂いで、頭がクラクラした。

何を引き寄せるために、こんな強力な匂いを放っているのだろう…

(何でも知ろうと思うな)。

泰山木は、ここまで…。