五来重先生と真宗ー3ー『五来重著作集』全12巻の編者・月報執筆者、そのジャンル

著作集月報に関わった方々の専門を確かめる。
宮本袈裟雄さんのようにお亡くなった方も含め、知り合いは11人。

各巻タイトル、編者・解説、月報執筆者

※以下は、発行時の肩書き、専攻である。
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ちなみに編集担当の上別府茂氏は三昧聖の研究者。

第1巻、日本仏教民俗学の構築(解説=鈴木昭英)※日本宗教民俗学会代表・修験道

1仏教民俗学の提唱
2仏教民浴学の方法請
3仏教民浴学の回顧

[月報1]

五来先生と角川の出版…高取利尚 ※元角川書店編集部
仏教民俗学から日本宗教民俗学へ…豊島修 ※大谷大学教授・熊野修験
仏教民俗学五来重先生…藤井正雄 ※大正大学名誉教授・葬・浄土宗

第2巻、聖の系譜と庶民仏教(解説=伊藤唯真) ※仏教大学名誉教授 ※浄土宗

高野聖
善光寺まいり

[月報2]

日本から出た柳田國男五来重…根井浄 ※龍谷大学教授・補陀落渡海
五来重先生に民俗学を学んだころ…浦西勉 ※奈良教委・宮座
五来民浴字と狩猟研究…永松敦 宮崎公立大教授・狩猟

第3巻、日本人の死生観と葬墓史(解説=赤田光男) ※帝塚山大学教授・アニミズム

1日本人の死生観・他界観
2葬法と葬儀
3墓と供養

[月報3]

五来重先生の学問と私…田中久夫 ※神戸女子大名誉教授・古代仏教
五来重先生を囲んで.…奥村隆彦 ※医師・近畿民俗参与・金石文
高野山麗の両墓制から…宮本佳典 ※橋本市文化財保護委員・両墓制

第4巻、寺社縁起と伝承文化(解説=福田晃) ※立命館大名誉教授・説話 

1寺社縁起
2縁起絵巻
3仏教文学
4伝承文化

[月報4]

五来先生の路を辿って
元興寺から高野山へー…阿部泰郎 ※名古屋大院教授・中世文芸
学恩…大島建彦 ※東洋大名誉教授・民間文芸
五来先生との出合い…木村至宏 成安造形大学長・近江学
墓守の禅僧…五来重 ※朝日新聞

第5巻、修験道の修行と宗教民俗(解説=宮家準)※慶応大名誉教授・修験道

はじめに
1修行
2遍路と修験
3木食・念仏と修験
4修行のあかし一験競べ
5聖火・聖と宗教民俗
おわりに

[月報5]

修験道研究における先生の足跡…宮本袈裟雄 ※武蔵大教授・里山
大峯山取材行…服部友彦 ※淡交社副社長
五来先生の採訪旅覚…藤田定興 ※福島県文化財保護審議委員・近世修験

第6巻、修験道霊山の歴史と信仰(解説=鈴木昭英) ※(前出)

1Ⅰ近畿霊山の山岳信仰修験道
2諸国霊山九峰の修験道と信仰
修験道文化・伝承論

[月報6]

僧と巫のあいだ…佐々木宏幹 ※駒澤大名誉教授・シャーマニズム
五来重先生の〈熊野信仰〉研究の広がり…山本殖生 ※新宮市学芸員熊野三山
能登の海と五来先生…西山郷史 ※元珠洲焼資料館館長・真宗民俗・能登.、私

第7巻、民間芸能史(解説=山路興造) ※民俗芸能学会代表・中世芸能

踊念仏と風流
2民間芸能の諸相
3芸能史と民間芸能

[月報7]

五来先生の門下生から…吉田清 ※花園大名誉教授・真宗民俗・善光寺まいり解説
思い出すまま…武内範男 ※元畠山記念館学芸員・茶花
五来先生との出会いー『山岳宗教史研究叢書』の編集・取材より…岡倉捷郎 ※「あしなか」編集・房総
妄想するなかれ…五来重朝日新聞・夕刊

第8巻、宗教歳時史(解説=藤井正雄)※大正大名誉教授・先祖祭祀

1宗教歳時記
2歳時記の宗教行事〈解説〉
3年中行事と宗教民俗学

[月報8]

三輪山のむくろが谷…谷川健一 ※地名研究所所長
五来重先生とご母堂、そして奥様についてー「五来学」の意図するもの…河野豊 ※トータル・システム代表・門下生
母ありきーー五来先生、母を語る ※朝日新聞

第9巻、庶民信仰と日本文化(解説=小松和彦) ※国際日本文化センター教授・陰陽道・妖怪

元興寺極楽坊と中世庶民信仰
2庶民信仰の論理皿
3付論

[月報9]

高野聖の一側面…薗田香融関西大学名誉教授・古代仏教
五来先生に字んだ四年間…下坂守 ※奈良大教授・中世寺院
私にとっての柳田國男五来重東京新聞

第10巻、木食遊行聖の宗教活動と系譜(解説=伊藤唯真) ※(前出)

1弾誓の宗教体系
円空の造像の軌跡
3木喰の造像の軌跡

[月報10]

五来先生と円空…池田勇次 ※元美並村史編纂委員・円空
「火」と「水」と「風」…関根秀治 ※平安女学院客員教授・茶道

第11巻、葬と供養・上(解説=赤田光夫)※(前出)

1葬法論一凶霊魂と鎮魂
2葬具論一その宗教的観念

[月報11]

五来先生と融通念仏…浜田全真 ※融通念仏宗勧学林教授・融通念仏
五来重先生と立山芦峅寺の布橋大灌頂ー立山博物館…福江充 ※立山博物館学芸員・立山曼荼羅
業の世の美しさ…五来重朝日新聞

第12巻、葬と供養・下(解説=赤田光夫)

2葬具論一その宗教的観念
3葬儀論1一臨終儀礼
4葬儀論2一殯飲儀礼

[月報12]

短くも最要の御縁…頼富本宏 ※種智院大学学長・空海曼荼羅
父を想う…吉田龍子 ※長女
「本巻」完結にあたって…法藏館

別巻年譜・著作団録・全巻索引

以上


こうしてみる限り、真宗五来重の関係はなさそうであるが、
念のため親鸞覚如、その他真宗関係用語を調べてみたら、
何と、全巻に親鸞名が載っている。その他の語も、結構多く取り上げられている。

具体的にどの場面で用いられているのか、これから検証し、五来重真宗、という未知のテーマ資料を作ることになろう。

そこで、五来ゼミの出身の真宗僧たちが身近にいないか、勉強会を立ち上げてもいいかな、と
古い名簿を見ると、すぐ近くのお寺の住職で、高校時代の教え子が五来先生のお弟子だった。
彼は五十歳過ぎ。
寺役で出会い、早速その話しをすると、五来先生に習ったのは私の父で、私は五来重というかたは話では聞いていますが見たこともありません、という。
現実は、そういうことなのだ…。
一人でやるしかない。