諸神の本懐・神々の願いー『諸神本懐集』【能登町】【中能登町】

宗教民俗をやってきた関係から、本地垂迹・権現については折々にいろんなところで触れてきたが、
歎異抄』第四章の「聖道の慈悲・浄土の慈悲」、
『御伝鈔』(親鸞聖人伝絵)の「箱根示現」「平太郎熊野詣で」の段を真宗的に読み解くため、
『諸神本懐集』を見たいと前から思っていた。
存覚上人が元亨4年(1324)に著したとされるこの書は、『真宗仮名聖教』でしか見る事が出来ない。
西勝寺には3冊の文化8年(1811)版『仮名聖教』があるが、『諸神本懐集』は含まれていない。
ようやく古本で見つけ購入。
「三ツノ門ヲモテ分別スヘシ。
第一ニハ、権社ノ霊神ヲアカシテ、本地ノ利生ヲタフトムヘキコトヲオシヘ、
第二ニハ、実社ノ邪神ヲアカシテ、承事ノオモヒヲヤムヘキムネヲススメ、
第三ニハ、諸神ノ本懐ヲアカシテ仏法ヲ行シ念仏ヲ修スヘキオモムキヲシラシメントオモフ」
奈良期の神身離脱して仏法に帰依する神々にはじまり、本懐集では、念仏を修するのが神々の目的である事を明らかにしていく。
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真宗仮名聖教』巻十二十三・文化8年。
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購入した『諸神本懐集』本文。明治26年出版、昭和7年改版のもの。
翻刻PDF
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17日、口能登町
真宗寺院と道を挟んで天神社がある。
天神は本地観音であることが多い。
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19日、能登町
手前の鳥居の奥、写真左側に火之宮神社がある。
火之宮は石動五社権現の一つ。本地は聖観音菩薩。
他の4社は、大宮(虚空蔵菩薩)、白山(十一面観音菩薩)、梅宮(地蔵菩薩)、剣宮(倶利伽羅不動明王)で、()内が本地である。
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山上の墓地に宝篋印塔残欠、五輪残欠があった。