芸術の秋

11月9日、10日、当寺報恩講も終わり、「芸術の秋」をしてきた。
紅葉の能登路から加賀路にかけ、猛烈な雨、あられ、ヒョウ…、
だが、その合間には色づく秋があった。

西のぼる、本谷文雄氏の話

9日、夕刻6時半から、結局11時近くまで、加賀の千代女のお墓のある聖興寺の近くの瀟洒な和室で、
飲み・食べ・芸術談義を聞き・語り合った。
その和室には「西のぼる」氏の額絵が掲げてあって、
参加者は、その、西氏と、仏像研究者の本谷文雄氏、それに私の3人。
美を追究し表現し、美を調べておいでるお二方と、深まりゆく秋…のひとときを過ごした。

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再会記念にいただいた絵「なんば」。

飲み、食ったからといって、食欲の秋ではなく、
しゃべりまくって、わァこんな時間か…になった
からといって、談論風発・秋の空でもなく、
4時間、「芸術の秋」がただよっていたはずだ。

石川県埋蔵文化財センター

翌日は、埋文に寄った。
ナビに任せて走っていたら、金沢郊外山道の秋に出会い
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年表作りの仕事のためにとはいえ、
出土品が溢れる空間でしばし時を過ごした。

谷内正遠氏版画展

その後、「谷内正遠版画展」を見に行った。
あくまで、「芸術の秋」である。
会場のキーワードは、ラブロとアトリエで、香林坊のアトリエのあるビルに入って催し物を聞くと
片岡鶴太郎絵画展」というのをやっているという。
どうも違いすぎる。


色々調べてもらうと、目的地は「ラブロ片町」というので、ラブロにあるアトリエ香林坊ではなかった。
あとでわかったのだが、ラブロ香林坊というのはないそうで、アトリオというビルだそうだ。
アトリエ、ラブロ、アトリオ、いかにも間違えやすい組み合わせだと思うのだが、普通は間違えないという。

それはそうと、数多い展覧会があるのに、谷内正遠という人のを見たいと思ったのは、この方の父上と真宗大谷派能登教区で一時期仕事をしたことがあったこと、
その父上を知る前に、この方の祖父が『光雲無碍』という書物を著されていることを知っていた、
という理由による。
もちろん、素敵な版画だ。
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「ほのぼのカレンダー」と、
放哉の句と月、畑を描いた二枚の小さな絵皿を買った。

金沢東別院定例布教・直林真師

午後、東別院で定例布教を聞いた。
御講師は、直林真師。
聖興寺の松本梶丸師、ラブロ片町で書の展示会があった時からお話が始まった。
わー!
昨日の晩、そこにいた!
さっき、ラブロ片町にいた!
と叫びたい衝動を押さえ
「仏頭放ー」「自害ーー」の深いお話に引き込まれていくうちに、
丸一日の「芸術の秋」は過ぎていった。