二・七(にしち)の市、六斎(ろくさい)市、御斎(おさい)市【珠洲市】

粥講をやるのだけど、名はつけてみたものの「講」の意味がよくつかめないので、何か資料はないかとの相談を受けた。
この「講」は、飯田の朝市(二七の市)の日に行うということで、そこには、三つのキーワードが考えられる。
飯田の市日である二・七の日、すなわち六斎日や六斎市を知らなければならない。これが一つ。
正式な食事の時間とされた午前中の時(斎)と、午後の非時、それに朝の粥の問題。
そして、「講」だ。
これらの資料をお渡しして、さーどうぞ、というわけにはいくまい。
関係者に話しをしに行きますよ、とお返事した。
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粥を作り、その場で世話をなさる方々、日常的に客さんと接する方々に基礎話をしたかったのだが…、
チラシにあるように、「食談」になってしまった。
こちらも9時少し過ぎまでしか時間をとれない事情があったので、やむを得ないことではあったが、少々心残り。


資料は、『日本民俗大辞典上・下』(吉川弘文館刊)から選んだ。
「いち 市」(石原 潤)、
「あさいち 朝市」(松崎かおり)
「かゆ 粥」(山崎祐子
「さいにち 斎日」(長谷部八郎)
「ろくさいいち 六斎市」(笹本正治)
「とき 斎」(西山郷史)
「こう 講」(宮本袈裟雄)
「ほうおんこう 報恩講」(西山郷史)
を並べたのだが、3つのキーワードをフォローできない。
資料に次の語句を書き加えて、お話しした。
「市」斎(いつき)→市、市聖空也、文明以降諸国農村に六斎市、市→在郷町、アジール珠洲市飯塚・森腰の椀貸し伝説。
「朝市」能登で確認できる中世の市3箇所、輪島重蔵神社朝粥講は椀講。
「斎日」「六斎市」チョンガリの歌詞に見える飯田六斎市、月と六斎日(図示)、輪島は元もと49の六斎市。
「斎」ハレの日、懐石。
「講」三經義疏、顕教密教、結、催合い、太子講、若衆講・カカお講、トトお講、寺御講、八日さま、六日さま、3カ村御講。
美しい食器に盛られ、おいしい朝粥料理を写真に撮ったのだが、コンパクトフラッシュ(フィルム)が入っていなかった。


以下の写真は夕方撮り直したもの。
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だんだん、店内。
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市は、大町通りに立つ。
だんだん横の四つ角から、この広見までが大町通りで、
27の日、すなわち2,7,12,17,22,27日の六日間(午前中)は車が通行止めになり、伝統市の雰囲気となる。
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先日の記事(15日)に紹介した珠洲焼販売店、夢2号館。
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広見のすぐ側、淨土宗大運寺前の「二七の広場」。

夢2号館で数馬嘉雄氏、高峰氏と出会った。
市(いち)の話に触れると、数馬氏は、宇出津(うしつ)ではオサイイチ(御斎市)だよね、とおっしゃる。
そういえば、移動市である「お斎市」について触れているものは少ない。


おいおい、資料を挙げながら、能登の市(いち)を考えていく。