松本清張の歌・色紙

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今日訪ねたお宅で、さりげなく長押にかけられていた色紙が気になった。
何度も訪ねているお宅で、以前にもあったはずなのだが、
今日は目線がその色紙に向いたということなのだろう…。


誰の色紙ですか?
松本清張ですよ。とおっしゃり、書いていただいた経緯もお話しくださった。
その方の経歴から、間違いないとは思ったのだが、
清張がこんな綺麗な字を書くとは?
そのあたりを家に帰ってから調べてみると、清張の字に間違いがない。


しかも、『0の焦点』のあと、富来巌門に建てられた清張碑の碑文と同じだった。
碑文より色紙の方が繊細だし、碑文は清張とあるのに対し、色紙は松本清張になっている。
「雲たれて ひとり たけれる荒波を かなしと思へり 能登の初旅 松本清張

碑は昭和36年8月に建てられた(色紙はかなりあとになる)。

碑文ーというか短歌ーは自筆の拡大とのことで高さ135㌢、横130㌢、厚さ45㌢のものである(『加賀能登の文学碑』高畠鳳外著)。
「かなし」には、この碑が建てられた経緯、万感の思いが籠められている。


碑は地震後どうなっているか分からないので、近々訪ねてみたいと思っているが、
それにしても、え?清張…本当に?と
思ってから7時間後、思わぬ事がわかった。
またもや、それぞれの家と個の歴史の深さに出会った…。
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ヤセの断崖の清張碑
清張の歌ーさらなる展開

2016年現在、この色紙は私のもとにある。

お持ちだった方は、一人暮らしの先輩で、どうなるかわからないので君の元で残してくれ、と預けられた。、もう大分経つ。