寺域の木々
若山庄飯田城主の庵だった光福庵の流れを汲む飯田総道場西勝寺も寺域の周りが民家や駐車場になって時が流れた。
何度も巨木の枝を払ってきたが、木々はあっという間に成長し枝も張る。伐採して下さる名人たちもそろそろ高齢になり、いろんな点で限界に至った。
それで、欅の葉が散る前に、欅4本、榎2本、棕櫚4本、梨1本、欅の枝2本、椿数本の枝を、この18日から22日にかけて切っていただいた。
その間、暇さえあれば、名人技を口開けて眺めていた。
この後、今珠洲で最も通行量の多い道路側の木々作業へと移るのだが、その道路を作るための発掘が始まったのが平成元年。
その2年後、わたしは住職となるのだけれど、後ろ側というか道路側は笹藪に覆われていた。数年かかって行った、いわば最初の作業が笹刈りだった。
それから30年。
すっきりした木々の中を歩いてみると、遮る木々がなう周りの家が目に入る。
人はほとんど住んでいないが、森のお寺から町のお寺になったなぁーとの印象である。
10月23日