鹿渡島~気多 鵜祭のコスモロジー

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放たれた鵜が向かうと伝承する能生白山神社と「鵜祭」を書いた『金春』月報2009年5月号

 

※能生白山神社は2008年4月21日撮影


今までの解説では、生け贄としての鵜を運ぶのが鵜様道中とされていたが、謡曲の詞章を分析すると、未来に仏となる、尊い思いを持つ鵜様のお伴をし、宿をする行事ととらえるべきだ。

何匹もの虎の子のために身を投げる仏前、月の兎同様、鵜を借りたもうひとつのジャータカ話(釈尊前世譚)と言ってもいいのかも知れない。

 

以下、詞章中のキーワードをならべておく。

 

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北國新聞1日。この新聞に「地域の催し欄」があるので、そこに紹介されているかも知れないと、2日朝新聞を見直した。前日には気づかなかったがこのように載っていた。

 

 

能「金春流 鵜祭」詞章のキーワード

海人の子

隔てはあらじ神慮憲法17条十「共に凡夫」、御文一帖-三「猟・すなどり」の御文)※和光同塵

勅使 桜町天皇(在位1735~1747)朝廷儀式の復興

「鵜祭規式」天明7(1787)年11月 復興より40年後

ゆのごう 崎山半島・湧浦(和倉)・湯川・角島(鹿渡島)

荒鵜 「みずから贄に供わり」→

最末尾(宣命)「贄に供わる結縁に、鳥類の身を転じ、仏果にいたれ」→「八尋玉殿の神たちより、かの鳥を抱き、海上に向かひて放ち給」ふ

 

鹿渡島龍灯・山灯があがる地=竜宮との接点

鹿渡島観音(能登国三十三観音、第4番)龍灯山華樹院観音自在寺

亀鶴蓬莱山(気多の青山 神隠れ)

蓬莱 東方海上の理想郷 亀の背の上に蓬莱山がある。

金沢城別名・蓬莱城、『亀の尾の記』

 

 

正像末和讃

1 釈迦如来隠れましまして二千余年になりたまふ

  釈迦の遺弟悲泣せよ

2 釈迦の遺法ことごとく竜宮に入りたまひにき

3 諸善竜宮に入りたまふ 

気多不思議大菩薩 本師・将軍地蔵、

地蔵山修験・天正期文書

縁日二十四日。 三夜 輪島重蔵(気多 気多神一説に舳倉→重蔵ヘクラ)

無仏世界度衆生

今世後世能引導」

竜宮から教えが戻る・龍にまもってもらわなくてもいいのは、弥勒下生時

正像末和讃

25 五十六7千万億七千万 弥勒菩薩は年をへん

26 等正覚にいたる人 すなわち弥勒におなじくて

 

鵜はみずから贄に供わり仏果をえる。

この構図は『今昔物語集』巻第五天竺附仏前の

第十三話「三つの獣菩薩の道を行じ、兎身を焼ける語」、すなわち月の兎話と同じである。

 

親鸞聖人・蓮如上人の大蛇済度

高僧の前世獣譚

 

長太ムジナの法要

猿鬼講(当目・行念寺)猿鬼縁起 最末尾「(猿鬼に)すがれ弥陀の本願」

 

道中の柳田付近は補陀落山。邑知潟の月光。観音の補陀落浄土(安永5年御詠歌)

 


 

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2008年4月21日 どうだ狛犬だぞ(能生白山)、