FB 2月17日(日)より   直木孝次郎氏

 
 

2015年(平成27年)2月16日の朝日歌壇に
「はじ多き 一生なれどけんめいに 生ききていつか 九十六歳」が載った。
投稿者の名を見て驚いた。「直木孝次郎」とある。
学生時代ーほぼ50年前ーに著書を購入した、古代史学者として著名だった方と同名である。しかも96歳、その方かも知れない。
その歌の選者まではメモしていないが、選者のコメントに著名な古代史学者が詠んだ旨が書かれていた(はずである)。...
3月29日にも
「鹿児島のかるかん持ちて尋ね来ぬ 五十五年前学生たりし君」直木孝次郎・96才が載った。

今日の朝日新聞朝刊に「直木孝次郎さん死去」の記事があった。去る2日、100才で亡くなられたとのこと。
記事には,朝日歌壇に投稿されておられ、戦後70年(2015年)記念大会に「特攻は命じた者は安全で命じられたる者だけが死ぬ」が入選した、と紹介されていた。

学生の頃、直木史学のクリーム色の本を購入していたはずだと、「臥龍文庫」と名付けている別室書庫を探した。
「日本古代・・・」が付いた題名だと記憶していたが、『神話と歴史』名の本だった。
今の私が、50年前の青年に会いに行った気分。

あのころ,大学者や有名人を呼び捨てにしーたとえば、吉本の次作はいいなぁーなどと、友と語り合ったものだが、直木は、とは言わなかった。遠く敬愛の対象だったのかも知れない。
直木孝次郎がなくなった・・・て、とすぐに会って話し合える相手は、今、一人も浮かんでこない。

短い京都時代に、大阪市立大、先生だった「直木孝次郎」・・・。

[写真]
一、二枚目
『神話と歴史』昭和46年購入。日本神話と古代の天皇、建国神話の虚構性、神武天皇と古代国家、古代の伊勢神宮などをかなり読み込んでいる(故・佐々木孝正助手の輪読会に混ぜてもらっていた。その時のテキストに用いていたのかも知れない)。
三枚目
歴史を学びだして、読み易く理解しやすい文体で感心したのが『日本古代の国家と仏教』井上光貞著(1771年刊)だった。