湯涌-一向一揆530年-蓮崇

f:id:umiyamabusi:20170715155606j:image
湯涌を舞台に「鮫」をお書きになった真継伸彦さんが昨年8月22日
に亡くなられた。
湯涌に行く前に、「鮫(昭和53年発表)」をサーと見直すと、第1編「鮫」で悪党・鮫を回心させたのが「見玉尼」だった。
最近「蝶の御文」で見玉尼のことを取り上げており、架空の人物を映画では佐久間良子が演じているのだろうと思っていた(調べると見玉尼役は三田佳子だった。佐久間良子主演の「五番町夕霧楼」の監督が「鮫」の監督・田坂具隆だったので、記憶違いをしていたようだ。サメ役は中村錦之助)ので、「見玉尼」ならサメを回心させる、これ以上ふさわしい人はいないと、いたく感動した。
そして、第2編「夜明け」は次の文で終わっている。

……あ、一揆の衆の攻めよせる物音がする。
や、おかしな餓鬼がおれの前におるぞ。そうか、光明丸であったか。
「さらばじゃ、光明丸。ついてくるな。そなたの後見は要らぬ。おれがそなたをここまで連れてきたは、ひょっとして秘密をだれかに明かさぬかとおそれたゆえじゃ。
すぐに湯涌谷まで馬を駆って、蓮崇殿に、おれが政親の首をとったと告げよ」
……何?おれの身がわりに行かせてくれと?
つらにくい。さようなことをほざく餓鬼は、それ、槍で叩いて気をうしなわせてくれたわ。
二度と目をつむるな。けっして後ろをふりむくな。言葉をほろぼせ。
それでよい。おのれはもう鬼じゃ……

真継さんの初盆でもある。
しかも、来年は一向一揆530年。
涌谷を訪ねた。

湯涌地区の各地ー案内所、土産物点、資料館などで、次のキーワードー一向一揆、蓮崇、湯涌が舞台、真継伸彦、「鮫」(北方謙三『魂の沃野』)ー出して見るのだが、聞いたことがと答えた人ばかりだった。

その湯涌付近で見たもの

涌谷

f:id:umiyamabusi:20170714190957j:image
立山牛玉(ごおう)札ー熊野と同じく牛玉に烏が用いられている。
f:id:umiyamabusi:20170714190947j:image
燕が安心して住める。
発想に感心し、しばらく眺めていた。
f:id:umiyamabusi:20170714190941j:image

f:id:umiyamabusi:20170714190933j:image
大杉少彦名神社境内-多分「石立たす少彦名…」だ。
涌谷には少彦名神社が多い。
f:id:umiyamabusi:20170714190925j:image
板ヶ谷橋付近。
この先は一車線。
砺波、南砺市と通づる「蓮如道」と言ってもいい道を行きたかったが
ダンプも通っていて、すれ違えそうにもない。
仕事している人のじゃまになってもいけないと思い、ここで引き返した。
f:id:umiyamabusi:20170714190919j:image
河内曲地区。

鮫の需要な舞台となった湯涌谷近くのお寺は二カ寺あり
どちらも真宗大谷派寺院である。

 

umiyamabusi.hatenadiary.com