蝶はゆめの なごり分け入る 花野かな(尼素園)

妙好人千代尼(仮題)』を書いた。
その中で蝶を取り上げ、「蝶-ゆめのなごり」の見出しをつけた。
千代尼には40句ほどの蝶、小蝶の句があり、
千代尼の法名「素園」は花と蝶の世界と言ってもよい。
蝶はゆめのなごりの句は、真筆の最後といわれている句である。
ちなみに、辞世の句は、「月も見て われはこの世を かしくかな」である。
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左近の桜も開花。

27日午後、家で県の埋文の方とお話しし、
その勢いで「花と蝶」の展覧会を開いている石川県輪島漆芸美術館に向かった。
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塩田作業中
角花豊氏。
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「花と蝶ーいのちの歓び」。

私が「能登を知る会」を作り、各地に散策していた頃に共に歩いた方々とも、ほとんど会う機会がなくなった。
元気な内にどうしてる?も兼ね、元輪島図書館館長だった北間さんをお誘いして美術館に行った。

輪島塗が何となく分かるような気がして「友の会」へも入ったのだが、
行ってみて全く分からないことがわかった。
北間さんが作家の説明をして下さったので、いくつかの作品の前で足を止めることが出来たのだが、
北間さんがおいでなかったら、情けないことに作品の前を歩いてきただけだったろう。
飯田高校で一年間講師をしていただいた故・道上正司さんの作品があって、
そこはさすがに彼の面影と、こういう仕事をしておいでたのだとの感慨があったが…、

だいたい肩書きが分からない。

今思うには、千代尼句との関わりで見ようと思ったのだから、句を持っていって、
たとえば、この作品は、「たんぽぽや 折々さます 蝶の夢」世界に近いなぁ、
とか別の人間くささがないと、作品そのものに入っていけない。

作品から受ける感性があるように思っていたのは、
前回、2月5日に市島桜魚さんの解説を聞きながら、作品を鑑賞する機会があったからだ。
解説の何割かに、ウン、知っている、そうか、と頷いていたのだが、
1人では、何も解説すべき言葉は浮かんでこなかった。

作品に描かれているのは、カラスクロアゲハのような大きな蝶が多く、花も牡丹。

千代のスミレ(うつむいたところが台やすみれ草)や、家で一番出会うモンキチョウの戯れに親しんでいる者にとっては、豪華なで華やかな展示だった。

今度は、句を手に、ゆっくり鑑賞してこよう。